優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

彼岸
ジョバンニ・パイジェッロのフルート四重奏曲もとても気に入って最近よく聴いています。フルート演奏はナポリ在住のGabriele Formentiです。降り注ぐ春の日差しのような、明るく軽やかなメロディーに満ちています。

最初の曲は1800年頃に作曲されたと考えられており、音楽出版の隆盛にあわせて上級アマチュア向けに書かれています。当時は出版された楽譜を買い求め家庭内で演奏するのが今の録音の代わりでした。

動画サムネイルに使われている絵は、フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー(1793-1865)の『聖母像を眺める少女』(1858)です。オーストリア帝国のビーダーマイヤー時代の画家で、彼らは身の回りの、日常的で簡素なものを題材に描きました。
81sF+2i8ClL._AC_SL1200_


山茱萸の花
サンシュユはミズキ科ミズキ属の落葉小高木です。中国原産で江戸時代中ばに渡来しました。三月ごろに黄色の小さな花が小枝の先に固まって咲きます。秋には楕円形の果実が紅色に熟し秋珊瑚(秋の季語)とも呼ばれます。
IMG_7052

囀り
散歩していると盛んに囀りが聞こえてくるようになりました。彼岸ともなれば春が春の最も春らしい顔を見せてくれるようになります。柔らかな日差しや春の風、咲きそろう花々、さまざまな野鳥の囀り、間もなく桜が開花し、ツバメが渡ってきます。
IMG_7053


いぬふぐり
早春のころいち早く土手で青くさざめくような花を開くオオイヌノフグリは、春が進むにしたがって草丈を伸ばします。花の数が増えてきたようですが、今の時期ではまだ地面に近いところで咲いています。
IMG_7047


チューリップ
花束のうちのチューリップも花弁が開き、ぱっと見たらチューリップとは思えないような雰囲気になっています。紅薔薇やカーネーションもまだ美しさを保っています。

彼岸の初日、朝からお天気は下り坂で正午ごろから風混じりの雨が降り始めました。南西の風でこれも春が進んだ現れでしょうか。
IMG_7056


初手彼岸
初手彼岸(そてひがん)とは、彼岸の最初の日のことです。髪を切ってきました。気分も新たに彼岸以降に備えます。卒業式の日にいただいた花束は10日近くたちますがまだ美しさを保っています。百合が開き、また新たな香りを部屋に加えてくれました。
IMG_7055


彼岸入
今日は彼岸の入りです。週末から急に気温があがり着ているものが一枚少なくなりました。空気全体がやわらかくなり、気が付けばすぐに桜が咲き始めます。今年は開花が早いようです。桜が咲くころは空模様が不安定で、あっという間に散ってしまう年もあります。
IMG_7046


春の夕
西明石駅を過ぎると電車内の人の数は減ってきました。JR神戸線は西明石駅からは山陽新幹線とつかずはなれずの距離を保ちつつ姫路駅まで北西に走ります。市川を渡る頃には陽はかなり西に傾き、窓からそれを眺めつつ電車に揺られていました。
IMG_7045

うららか
少し走ると幼子を肩車して歩いているお父さんを見かけました。こういうのも暖かくなってきたからでしょう。電車内には北陸新幹線開業を知らせる吊り広告がありました。今日、3月16日が開業日です。

能登半島地震による観光客の落ち込みをこの新幹線の開業が少しでも支えてくれるといいですね。東日本大震災のときは自粛ムードが日本中を覆っていました。しかし、いまは自粛よりも出かけて活性化を助けるのが大事だとわかってきていますから。

2年前の初夏に金沢と和倉温泉に行きました。観光列車の花嫁のれんにも乗りました。花嫁のれんは地震の影響で再開の目途がたっていません。和倉温泉の被害も大きく、お世話になった「能登海舟」も現在は休業中です。一日も早い復旧をお祈りします。
IMG_7044


永き日
JR神戸線は高架鉄道ですから、電車の中から街を見下ろすことができます。三ノ宮駅で停車していたとき、スクランブル交差点がすぐ下に見えました。信号が変わると大勢の人がどっと交差点を埋めます。この日は午後から暖かくなり、人々ものびやかな雰囲気です。
IMG_7038

このページのトップヘ