優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(958)…□◆□

  友来るポインセチアの赤を抱き  優嵐

昨日の忘年会に仲間のひとりが真っ赤なポインセチアを
持ってきました。クリスマスムードたっぷりです。
メキシコ原産のトウダイグサ科の常緑低木で、暑い国
では、露地で2〜3mにもなるといいます。

赤くなるのは葉の部分で、花はその中央に小さくついて
います。近くのカトリック系の病院では待合室のツリー
にポインセチアの鮮紅色の葉がだけが飾ってあり、
シンプルでありながら華やかな美しさです。

□◆□…優嵐歳時記(957)…□◆□

  過ぎし日をおでんの湯気に忘年会  優嵐

前の職場の仲間の家で忘年会をしてきました。おでんを
囲んであれこれ話します。すでに自分が離れてしまった
役所のいろいろな話、人事や昇給やその他もろもろの
ことを聞いていると、枠から外れるというのはいいもの
だと思います。

もし、ずっとその枠の中で働き続けていたら、きっと今
自分が考えているようなことは心に浮かんでこなかった
でしょう。職場の枠がもっと流動的になることは、悪い
ことではないように思います。

□◆□…優嵐歳時記(956)…□◆□

  雨降れば雨の寂しさ冬桜  優嵐

昼ごろから雨になりました。いつも散歩に出かけている
増位山随願寺の境内で冬桜が咲いています。冬桜は四季桜
とも呼ばれ、春と秋に花をつけます。春に見かけたときは
彼岸桜かと思っていたのですが、最近、花を咲かせているの
を見て、冬桜と悟りました。

秋は10月ごろから12月へと続いて咲くようです。桜には数
多くの種類があり、冬桜はマメザクラとエドヒガンの種間
交雑です。最も日が短くなる12月に淡い色の小ぶりな花を
咲かせているのは、なんとも哀れみ深いものを感じます。

□◆□…優嵐歳時記(955)…□◆□

  足音を連れ十二月の森にいる  優嵐

いつの間にか12月も一週間が過ぎ、少しずつ歳末の気配
が漂ってくるようになりました。すでにクリスマスソング
は11月に入ったころから流れていますので、慣れています
が、それでもしだいに歳末のあわただしさが感じられ
始めました。

静かな森を歩いていると、乾いた枯葉を踏む自分の足音が
大きく聞こえます。これも静けさゆえですので好きです。
まだ落葉樹は完全に葉を落としきっていません。すっかり
葉を落とす頃には冬も深まります。

□◆□…優嵐歳時記(954)…□◆□

  大雪や少女の輪唱聴いている  優嵐

今日は二十四節気の大雪です。太陽の黄経が255度に達し、
寒気が増してくるころです。しかし、今日の姫路は昼ごろ
から雨が本格的になり、冷え込みはありません。今日も
雨でしたが、傘をさして展望台に行って来ました。

人のいないところへいくのが私は好きです。誰もいない
ところでひとりぼんやりするのがいい。傘で雨を受け
ながら自然歩道を歩きます。傘にふれた楓から紅葉が傘
にはりつき、「濡れ落葉」という言葉を思い出しました。

□◆□…優嵐歳時記(953)…□◆□

  散るを待つ紅葉にふれて雲流る  優嵐

「紅葉かつ散る」は紅葉しながら散る状態を指し、秋の
季語です。「紅葉散る」あるいは「散紅葉」は盛りを
過ぎた紅葉が冷たい空気の中を散っていくさまをさし、
冬の季語になります。

増位山頂上展望台のベンチに横たわり、空を見てきまし
た。まだ紅葉は残っており、青空に映えてきれいでした。
のんびり、ゆったりですが、そうしながら自分の内側に
生まれてくるものを確かめています。今日の播磨灘は
少し霞んでいました。

□◆□…優嵐歳時記(952)…□◆□

  考えをまとめる木の葉踏みしめて  優嵐

すでに散った葉、散りつつある葉、まだ枝に残っている
葉も総称して「木の葉」といいます。何か考え事をする
とき、ゆっくりと散歩をするのはいいものです。車や
人通りの多いところでは、そんなこともできませんから、
私はよく増位山の自然歩道を歩きます。

ゆっくり、誰にもあわず、森の音と風の音を聞きながら
歩くのは気持ちが落ち着きます。時々は空を見上げたり、
森の木々を眺めたりしてすごします。別に考えるような
ことがなくても、こうしているとふと何かをひらめいたり
するものです。

□◆□…優嵐歳時記(951)…□◆□

  冬空へ十四番目の月昇る  優嵐

青空がきれいな冬の一日でした。旧暦では神無月の十四日、
十四番目の月というと、松任谷由美の『14番目の月』を
思い出します。「明日の夜から欠ける満月より十四番目の
月が好き」と歌うのですが、人間心理を的確についている
ところは、さすがだなあと感じます。

完璧なものは面白くない、とイサム・ノグチはいいました。
少し足りないもの、これからまだ満たされる余地が感じ
られるもの、に人はひかれるのではないでしょうか。
今日の月もきれいでした。もうほぼ満月といっていいほど
の丸みで、夕陽に淡く染まる雲の間に昇ってきました。

□◆□…優嵐歳時記(950)…□◆□

  冬夕焼け輝き月に移りけり  優嵐

今日も北風が強く、十二月に入ってようやく冬らしく
なってきた気がします。コタツを出しました。これまで
の足先だけのコタツではなく、真冬用のコタツです。
冬はこれです。気分が落ち着きます。

明後日が満月です。夕陽が西の山にかかり始める頃散歩
に出ると、しだいに夕焼けになり、やがて東の空に出て
いた薄い月の光がしだいに強さを増してきます。夕焼け
の時間は夏とくらべて随分短く、やはりクリスマスが
近いことを思います。

□◆□…優嵐歳時記(949)…□◆□

  オートバイ楽しジャケット夕陽色  優嵐

昼ごろから少し寒くなってきました。北風も強く十二月
らしいお天気です。そこで、オートバイに乗るときの
ジャケットを今までの薄手のものから中綿入りのやや
厚手のものに変えました。

真冬で長い距離を走るとなると、下半身も中綿入りの
ものに変えますが、短距離であれば、ジーンズのままで
十分です。ヘルメットもそろそろフルフェイスのものに
模様替えです。真冬は、防寒さえきちんとしていれば、
むしろ真夏より走るのは快適です。

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