優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(824)…□◆□

  梅雨の雷去れば緑の匂いけり  優嵐

昼過ぎに雷雨がありました。入道雲が出ているな、と
空を見ていたら、雷の前触れの冷えた風がさっと吹いて
きてあたりが暗くなりました。遠くから雷鳴が聞こえ
ます。ぱらぱらと雨滴も飛んできます。

窓から暗い北の空を見ているとさっと地面に向けて稲光
が放たれました。落雷は恐ろしいですが、走っていく
稲妻は美しいものです。雨はそれほど激しくは降らず、
すぐにあがりました。

□◆□…優嵐歳時記(823)…□◆□

  梅天のひととき開けて雲輝く  優嵐

夕方、窓際のリクライニングチェアで本を読みながら、
ふと窓の外に目をやると、青空が広がってその中央に
入道雲が立ち上がっていました。

梅雨前線はまだ列島の中央に居座っていますが、その雲
の向こうに盛夏が見えた気分でした。南北の窓を開けて
風を通せば本当に涼しく、日中は扇風機さえ使わずに
過ごしています。

060713

□◆□…優嵐歳時記(822)…□◆□

  ビールうまし今日一日のありがたし  優嵐

「麦酒」とも書くビールは、一年中ありますが、爽快な
喉越しは、夏にぴったりの飲み物です。今は発泡酒、
ノンアルコールビールも出回っていますが、それらを
含めて「ビール」と詠んでいいと思います。

仕事帰りにビアガーデンで飲む生ビールがおいしい季節
であり、ビールを飲みながらナイター中継を見るという
のがお父さんの楽しみの定番でもありました。

□◆□…優嵐歳時記(821)…□◆□

  滲みつつ山の端はなれ梅雨の月  優嵐

梅雨の時期は雨が降っていなくても空は雲が多く、湿気
も多く、月はぼんやりと輪郭がかすみがちです。昨夜の月
も月の周りがピンボケ写真のようにぼやけていました。
明日は満月です。

今日はどんよりとした曇り空でした。どこへも行かず部屋
にいました。フリーエージェントの身分ですので、通勤用
の服を着て出かける必要もなく、短パンで一日過ごすこと
ができます。エアコンとも無縁ですし、この自由さは、
何にも変えがたいものがあります。

□◆□…優嵐歳時記(820)…□◆□

   初蝉や朝の大気の芳しき  優嵐

朝、今年初めて蝉の声を聞きました。一匹だけか細く
鳴いていました。にいにい蝉でしょうか。これも季節の
移り変わりを感じるもののひとつです。盛夏の蝉時雨
とはまた異なる趣です。

蝉は長い幼虫時代を地中で過ごし、その後は二、三週間
しか生きないようです。次の世代をようやく残すだけの
ために地上へ出てくる、といっていいのかもしれません。
蝉の抜け殻を「空蝉」といい、古来、空しさの象徴です。

□◆□…優嵐歳時記(819)…□◆□

  水無月やグラスに冷えてロゼワイン  優嵐

昨夜は新暦の七夕でしたが、牽牛と織女の出会いが
かなったところは少なかったのではないでしょうか。
梅雨の最中ですから無理があり、旧暦の七夕(7月31日)
を待ちたいと思います。二度チャンスができたと思えば
お二人にも望ましいでしょう。

昨日は二十四節気の小暑でもありました。夏至後15日、
この日から暑中に入り、暑中見舞いはここから立秋の
前日までに出すことになります。梅雨が明けないと
本格的な暑さという感じにはなりませんが。水無月は
陰暦六月の異称で、陽暦ではほぼ七月に相当します。

□◆□…優嵐歳時記(818)…□◆□

   髪切って軽きうなじに夏の風  優嵐

髪を切ってさっぱりしました。髪が多いので少しすいて
もらうと、随分軽くなった感じがします。空模様は
今日も不安定で、夕方には少し雨が降りました。雨が
降っていなくても、雲がどんよりと垂れ込めて、梅雨
らしいお天気です。

コンビニに立ち寄ってフローズンヨーグルトを買いました。
アイスクリームやソフトドリンクをあまり買う方では
ありませんが、たまにこういうものを食べたくなります。
これも夏ゆえでしょう。

□◆□…優嵐歳時記(817)…□◆□

  夏燕群れて明るき夕べかな  優嵐

昨日、ナイターでテニスをしました。コートに出たのは
まだ夕暮れ時で、次第に明るさが落ちていく頃、空を
縦横に飛び回る影があります。こうもりが飛び始める
時間帯ですが、飛び方が違います。燕でした。そろそろ
幼鳥が親元を離れる時期です。

巣立った幼鳥は群れで葦原などにねぐらを形成します。
子育てを終えた成鳥もやがて合流します。上空高く飛ぶ
姿が見られるようになると渡りの時期も間近です。
そして、ある日気がついたら燕の姿が消えているのです。

□◆□…優嵐歳時記(816)…□◆□

   七月の午後川べりに子らの影  優嵐

いつの間にか七月です。今年ももう半分過ぎました。
七月は月の前半は梅雨末期の豪雨災害が起きやすい月で
あり、後半は梅雨明けとともに猛暑が始まる月でもあり
ます。夏休みも始まりますね。

部屋の窓から市川が見えます。子どものころは川原が
遊び場のひとつでした。あのころ毎日なにをしたのか
よく思い出せませんが、特別な遊び道具がなくても、
遊ぶのに困るなどということはありませんでした。

□◆□…優嵐歳時記(815)…□◆□

  土砂降りの雨心地よし梅雨最中  優嵐

午後二時ごろ、雷雨がありました。朝方の雨がいったん
あがり、昼過ぎまでは曇り空。そこからみるみる雲が
垂れ込めて、北の空は真っ暗になり、雨を呼ぶ風が吹き
つけてきました。

雲の動きを窓からみていると、すぐに大粒の雨がぽつぽつ
降り出し、間もなく視界が白くなるほどの土砂降りに
なりました。雷鳴もして、雷が鳴ると梅雨明けも近いな、
と思いながら激しい雨音を聞いていました。

長時間降り続いて土砂災害や洪水になっては困りますが、
短時間でどっと降ってやむ雷雨は、その後涼しくなります
し、なんだかさっぱりして好きです。

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