優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

秋彼岸
入院生活も2週間を超え、かなり慣れてきました。人間は何にでも順応するそうです。だからこそ生きていけるのでしょう。

病棟の6人部屋で過ごしているといろいろな入退院があります。真ん中のふたつのベッドは眼科の白内障手術患者用で後期高齢者ばかりです。両端の四つは脳神経内科用で、今週ひとり退院されました。主治医との会話では病名ははっきりしていない印象です。

昨日、座っておられず話をするのもやっとという80代の方が入院してこられました。何度も入院されているようです。腎臓機能が落ちていて緊急の血液検査。飲み込みにくいとの訴えがあり食事はできずオムツとなり、心電図をつけて大変そうです。
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秋分
明日は秋分です。今日からステロイドパルス療法が始まりました。1gのステロイドを3日間連続で点滴します。これを1クールとし、今回は1クールのみおこないます。特に変わったこともなく1本目は終了しました。

足首の傷が癒えて自由に歩き回れるようになりましたが、右腕の前腕部に点滴用のチューブが装着されています。ステロイドの点滴が何らかの効果をあげてくれるのか、それによって今後の治療方針も変わってきそうです。
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朝食の後、病棟内を散歩しました。昨夜は雨だったようです。病室では窓側ではないので天候が全くわかりません。外界ではそろそろヒガンバナが咲いているかなあと思いますが、ここでは自然は窓から眺める景色だけです。

ベッドにいると主治医チームの一番若い先生とリーダーの先生が来られました。足首の傷を見たあと、現在時点での検査結果について少し話してくださいました。リーダーの先生にとっても珍しい症例とのことでした。
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秋の夕暮
歩行許可が出て、昨日の夕方、一週間ぶりに歩きました。右脚に加重しても傷は痛まず、金剛山が見える窓まで歩いてきました。自由に自分の足で歩き回れるというのは貴重です。

歩かなくてもお腹は減ります。夕食前に主治医のひとりが明日の採血の同意書を持ってこられました。これは海外へ送られて解析されるそうです。
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爽やか
今日は主治医チームのうちのふたりがベッドサイドに来られました。神経生検の傷に貼っていたテープをはがし、傷がくっついていることを確認して、歩行許可が下りました。これでひとりで歩いて行動できますし、入浴もできます。

診断について「MSですか?」とたずねたところ、「CIDPとMSが合併している可能性があります」とのお返事。検査結果はまだ全部出ているわけではなく、神経生検の結果などは数か月かかるものもあるそうです。

ステロイド点滴はいずれにも効果があるため、まずそこから始めることになりそうです。その前にもうひとつ検査が必要とのことでした。結構珍しい症例のようで、いろいろ調べる必要があるとのことです。
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長き夜
脳神経内科の病名がなぜそれほどはっきりしないのかといえば、病理検査でぱっと診断がつく疾病ではないからでしょう。しびれ、痛み、ふるえ、筋力低下など、症状は似ているのに全く異なる疾病が多数あり、治療薬も違います。

脳神経内科医はそのなかを手探りで進み、最終的な診断にたどりつかなければいけません。そのため誤診も発生し、ある疾病と思って治療していても効果がないことがあります。まだ未知の領域が多い疾病分野なのでしょう。

ステロイドの点滴は神経生検の傷の治り次第だと言われました。傷の治りが遅ければ、ステロイド点滴によって感染症を引き起こす恐れがあります。一週間歩かずベッドの上で過ごしたので治っているのを祈っています。
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秋彼岸
脳と頚髄のMRIの結果、MSのようだと言われて驚きはしましたが、納得できるものでした。もともとCIDPという診断に疑問を持ってここを受診したのです。いずれにせよ何らかの神経難病だとは思っていたからです。

これでMSだと確定診断が出ればそれはいいことです。同じ脳神経内科で入院している人の中には病名がはっきりしない人が結構あります。ベッドを訪れる医師と患者たちとのやりとりからそれが感じられます。「はっきりしない」というのはつらいことです。

昨日の夕食はお好み焼きでした。大阪らしい、かもしれません。ここは定期的にセレクトメニューがあるようで、患者がAかBかのメニューを選べます。お好み焼きは私が選んだものでした。焼きたてではありませんが、美味しくいただきました。
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秋彼岸
今日は彼岸の入りです。昨日までで検査が一段落し、ここまでの結果とこれからの治療方針の説明を主治医チームから受けました。驚いたことにCIDPとは異なる病気が見つかりました。多発性硬化症(MS)です。

頚髄MRIをおこなったときに疑わしい病巣が写り、脳のMRIにも小さな病巣が数個写りました。ただ私の現在の症状と、このMRIの病巣とは関連性があまり無いようです。頚髄に病巣があれば上肢に症状が出ます。私の場合は足首から先、特に足先なのです。

その点に不思議さは残るものの、MRIにMSの病巣が写っているため、ステロイドの点滴をすることになりました。これによって何らかの変化が出るかどうかです。
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秋の夕
慌ただしく検査が続いた昨日、最後はこれも急遽決まった心エコー検査でした。心エコー検査とは超音波をあてて心臓の大きさ、動き、弁の状態などを見る検査です。

検査を受けながら、自分の心臓が動く様子を画面で見られます。休むことなくずっと働いているんだなあ、と不思議な気がしました。それは心臓だけではないですが。

臓器の中で人間の意思で動くのは手足の筋肉などごく一部に過ぎません。それ以外は自律神経によって調節され、臓器の持ち主が何をしていようが勝手に働いてくれます。
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秋の昼
昨日は急遽入った頭のMRIが終わって部屋に戻るとすぐに髄液検査でした。9月14日の検査には入っていなかった項目をさらに調べることになったそうです。検査そのものは15分ほどで終わり、その後仰臥位で30分安静にしていました。

ちょうどお昼時で昼食が運ばれ、早く食べたいなあと思いながら天井を見ていました。お昼のメニューはハヤシライスでした。
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