□◆□…優嵐歳時記(2374)…□◆□
小春日や海の最も光りおり 優嵐
増位山の頂は北西方向が樹木でさえぎられ、南東方向に見晴らしが開けています。そのため、冬になると季節風がさえぎられ日当たりがよく、ほかほかと心地よい場所です。そこのベンチに座って姫路市街や遠く六甲まで続く山なみ、市川、播磨灘、家島群島、淡路島、行き交う船などを眺めるのは素敵なひとときです。
小春日とは、今頃の春をおもわせるような穏かな日を意味します。「小春」は陰暦十月の異名です。十四世紀に書かれた吉田兼好の『徒然草』に「十月は小春の天気」として早くも登場しており、歴史的には古くからある言葉です。
今日は散歩のコースを少し変え、随願寺境内へ回りました。梅や桜が咲く頃はこちらへ回っていたのですが、夏場は暑くて、森の中ばかりを歩いていたのです。姫路藩主・榊原政邦と正室の墓が並ぶ前の広場の楓が、見事な色合を見せていました。紅葉の色が影の中にまで溶け込んでいるように見えます。
楓の色は赤くなるもの、黄色くなるものとさまざまです。今、森の中で最も鮮やかな黄色はタカノツメです。その色に勝るとも劣らない美しい黄色を見せてくれます。本堂近くまで行くと、スケッチ中のグループに会いました。紅葉の最盛期ですから、描くのも楽しいと思います。
<功徳>
履き古したジョギングシューズに
手を合わせた後
丁寧にゴミ箱に葬った
物品にも魂が宿っている
使い切ってやれば魂は平穏を得る
品物を成仏させる
モノが溢れた社会で生きる人間がおこなえる
ひとつの功徳だと思う

小春日や海の最も光りおり 優嵐
増位山の頂は北西方向が樹木でさえぎられ、南東方向に見晴らしが開けています。そのため、冬になると季節風がさえぎられ日当たりがよく、ほかほかと心地よい場所です。そこのベンチに座って姫路市街や遠く六甲まで続く山なみ、市川、播磨灘、家島群島、淡路島、行き交う船などを眺めるのは素敵なひとときです。
小春日とは、今頃の春をおもわせるような穏かな日を意味します。「小春」は陰暦十月の異名です。十四世紀に書かれた吉田兼好の『徒然草』に「十月は小春の天気」として早くも登場しており、歴史的には古くからある言葉です。
今日は散歩のコースを少し変え、随願寺境内へ回りました。梅や桜が咲く頃はこちらへ回っていたのですが、夏場は暑くて、森の中ばかりを歩いていたのです。姫路藩主・榊原政邦と正室の墓が並ぶ前の広場の楓が、見事な色合を見せていました。紅葉の色が影の中にまで溶け込んでいるように見えます。
楓の色は赤くなるもの、黄色くなるものとさまざまです。今、森の中で最も鮮やかな黄色はタカノツメです。その色に勝るとも劣らない美しい黄色を見せてくれます。本堂近くまで行くと、スケッチ中のグループに会いました。紅葉の最盛期ですから、描くのも楽しいと思います。
<功徳>
履き古したジョギングシューズに
手を合わせた後
丁寧にゴミ箱に葬った
物品にも魂が宿っている
使い切ってやれば魂は平穏を得る
品物を成仏させる
モノが溢れた社会で生きる人間がおこなえる
ひとつの功徳だと思う
