優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(506)…□◆□

   涼風に吹かれて楽し風呂あがり   優嵐

「涼風」は「すずかぜ」とも「りょうふう」とも詠みます。
今日の句の場合は「すずかぜ」と読んでください。昼間も
よく風が通ってきもちのいい私の部屋ですが、夜は電灯を
つけるため、窓を閉めます。

お風呂あがりにベランダへ出れば、夜気が心地よく感じられ、
川風が涼しく吹いてきます。ほっとするひとときです。
思えば幸せというのは、こういうものごとの落差の中に感じ
るものですね。暑いときの涼しさ、寒いときの暖かさ、
のどが渇いているときの飲み水、空腹のときの食べ物など
みんなそうです。

□◆□…優嵐歳時記(505)…□◆□

   ターコイズブルーに明けて夏の朝   優嵐

台風の余波が去った翌朝は美しい空の色でした。宝石はよく
色の名前として登場します。ターコイズはペルシャ産ですが、
トルコを経由して地中海地方にもたらされたことからターコイズ
(トルコ石)と呼ばれました。

古代ペルシャ人はターコイズの鮮やかな色に悪魔を退ける力が
あると信じ、装飾品として用いたり、宮殿の壁を飾るタイルや
レンガにもこの色の釉薬を使いました。濃いブルーから、青み
のかったグリーンまでターコイズにはさまざまな色があります。
12月の誕生石であり、宝石言葉は“成功”です。

□◆□…優嵐歳時記(504)…□◆□

   ポロシャツの肩でプレーの汗拭う   優嵐

今夜もナイターでテニスをしてきました。真夏も真冬もテニス
をしますが、冬の方が動き回る分、過ごしやすいと思います。
特に夕方の風が止まる時間はコートの中にいても大変蒸し暑く
立っているだけでじんわりと汗がつたいます。

テレビでグランドスラム大会の試合など見ますと、選手が
ゲームの間に自分の席へ戻ったときは必ず水分を少しずつ
摂取しています。シングルスは特に運動量が多いですから、
あのようにしていないと、たちまち脱水状態になってしまう
でしょう。

□◆□…優嵐歳時記(503)…□◆□

   アイスコーヒーからんと音をさせて飲む   優嵐

台風7号は今日、千葉県に上陸したようです。姫路は朝方
こそ少し風が強かったですが、雨もすぐにやんで、あとは
平穏な一日でした。

ふだんは夏でも熱いコーヒーを飲みますが、今日うかがった
事務所で、アイスコーヒーをだしていただきました。通常の
アイスコーヒーと少し違ったのは、冷えているのにコーヒー
の香りが残っていたことでした。いれかたにコツがあるので
しょうね。

□◆□…優嵐歳時記(502)…□◆□

   サングラスうしろの視線大胆に   優嵐

サングラスは夏だけでなく、強烈な紫外線を浴びる冬の
スキーやスノーボードにも欠かせないものではありますが、
その雰囲気からか夏の季語になっています。ミラーグラス
などをかけますと、視線が完全に見えなくなり、どこを
見ているか他の人にはわかりません。

素のままでは無遠慮に人の顔を見つめることはできません
が、視線が気取られなければ、さりげなく観察している
こともできます。日本人は虹彩の色が濃いため、半分は
ファッションという感じでしたが、近年では紫外線の影響
を避けるために着用する人が増えているようです。

□◆□…優嵐歳時記(501)…□◆□

   静けさの真ん中にあり夏真昼   優嵐

昨日も今日もいいお天気でした。太陽はぎらぎらと照りつけ、
海や山へでも出かけるならいざ知らず、近所へ買い物に出る
なら、ちょっと日が翳ってからにしようか、という気になり
ます。そう思う人が多いのか真夏の真昼間というのは不思議
な静けさがあります。

蝉の声も朝の方がむしろ激しくて、昼間は少し休んでいる
ようにも思えます。真夏の昼間の暑さのことを「炎昼」と
もいいますが、字を見ただけで、恐ろしいような暑さが
想像できます。酷寒とか酷暑とか、ものごとが極まると、
人間の存在はかすんで小さいものに感じられます。

□◆□…優嵐歳時記(500)…□◆□

   目覚めればすでに高かり蝉の声   優嵐

盛夏です。早朝から、盛んに油蝉が鳴いています。この
ジージーと油で揚げるような声を聞くと、どっと暑さが
つのる思いがします。それと同時に真夏の強いエネルギー
も感じます。

蝉は数年から十数年を地中で過ごし、成虫となってからの
地上での命はわずか一週間ほどです。以前キャンプをして
いて、蝉の羽化を見たことがあります。背中が割れてまだ
淡いほとんど色彩のない蝉の身体がそろそろと現れてくる
のを見るのは感動的でした。

□◆□…優嵐歳時記(499)…□◆□

   海の家いつも流れし流行歌   優嵐

今日も暑い一日でした。夏休みに入り、海は海水浴の人で
にぎわっていることと思います。ときにはいもの子を洗う
ような人出で、ああ、ご苦労さま、と思ってしまいます。
子どものころは毎年どこかの海に海水浴に連れて行って
もらいました。日焼けも何も気にならなかったころです。

まだ泳げないころは浮き袋を、無理なく泳げるようになって
からは水中メガネをもって出かけました。海水浴に最後に
出かけたのはもう何年前かなと考えます。その後、八重山
群島まで出かけてシュノーケリングを楽しむようになり、
海の家とも随分ご無沙汰です。

□◆□…優嵐歳時記(498)…□◆□

   窓よりの風の幸せ昼寝覚   優嵐

「昼寝」は夏の季語です。暑さによる体力の消耗をさける
ために午後のひととき睡眠をとります。昼寝は知力の回復
にもいいとかで、今ではビジネス街のお昼に昼寝をさせる
店もあるとのことです。

私の部屋は昼間、窓を開け放っていれば風が気持ちよく
通り、クーラーは要りません。昼食後のひとときちょっと
横になって少し眠れば消化にもいいですし、気分転換にも
なります。寝入るときも目覚めたときも、風を感じられる
のは夏の至福のひとつです。

□◆□…優嵐歳時記(497)…□◆□

   うるみつつ夏満月の昇りくる   優嵐

今宵は満月です。ナイターでテニスをしているとコートの
向こうにある小学校の校舎の上からぬっと大きな月が顔を
出しました。湿気のせいでしょうか、うるんで見えます。
コートの上も、今夜はほとんど風がありませんでした。

蒸し暑く、何度かラリーをするだけで汗びっしょりになって
しまいました。家に帰ってすぐに入浴してさっぱりし、
さきほど晩ごはんを食べながらノンアルコールビールを飲み
ました。私はお酒に弱いので、普通のビールだと酔っ払って
しまいますが、ノンアルコールビールののど越しのよさが
最近は気に入っています。

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