優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(152)…□◆□

    大いなる自由の響き夏休み    優嵐

小中学校の夏休みが始まりました。夏休みに入ったばかりのころと
いうのはその先にある40日近くの日々が無限の自由を表している
ようで、わくわくしたものです。ラジオ体操をして、朝の涼しいうち
に宿題をして、それからプール。午前中のプールというのは水が
冷たく澄んでいて気持ちのいいものでした。

プールを出たら、濡れた身体のまま夏の日差しの中を帰りました。
帰ったらスイカを食べたり葡萄を食べたり。一本のアイスキャンデー
のおいしさは子どものときだからこそ経験できるものだったに違い
ありません。なんだかもうおぼろげな曇りガラスの向こうへ行って
しまったようなあのころの夏休みの日々。

学生のときは行き返りともフェリーというのんびりした行程で沖縄の
離島を旅してまわったことがありました。お金はなくても時間だけは
たっぷりあった時代です。真っ黒に日焼けして、あれが心おきなく
日焼けした最後の夏だったかもしれません。

□◆□…優嵐歳時記(151)…□◆□

    日は高く土用三郎輝けり    優嵐

連日猛暑が続いています。体温並みの気温に加え、この蒸し暑さ、
ぐったりされている方も多いことと思います。19日(月)は土用の
入りでした。土用は春夏秋冬すべてにありますが、いまは盛夏の
イメージが定着しています。「土用の丑の日」とウナギのおかげ
でしょうか。

夏の土用は小暑後13日から立秋までを指します。土用入りの日を
土用太郎、二日目を次郎、三日目を土用三郎と呼びます。土用三郎の
日の天候によってその年の耕作の吉凶を占う習俗があったといわれて
います。昨日の姫路は午後から少し雲が出て二度ほど通り雨があり
ました。アスファルトが濡れているのを見て初めて雨があったのだと
気づいたほどのわずかな雨でした。

□◆□…優嵐歳時記(150)…□◆□

    水熱く百日草の咲きにけり     優嵐

今日、東京は最高気温が39.5度だったとか。猛暑ですね。熱中症が
多発していますから、お気をつけください。このような炎天に咲く
花は、みな太陽に負けない華やかな色をしています。ヒャクニチソウ
もそのひとつ。花の期間が長いのでこの名前になっています。

メキシコ原産で、18世紀末にスペインを経由してヨーロッパに渡り、
各国で品種改良がおこなわれました。その後、アメリカにも渡っています。
日本への最初の渡来は江戸時代末の文久二年(1862年)です。外側から
順々に開く舌状花を持ち、それぞれの花弁が肉厚で丈夫なことから花の
持ちがよく、仏花としてもよく用いられます。

□◆□…優嵐歳時記(149)…□◆□

    よき仕事期してビールで乾杯す     優嵐

昨日は8月20日から始まるオリベ編集学校(ISIS編集学校の岐阜県
版です)のキックオフミーティングのために岐阜へ行ってきました。
県の担当者の方も交えて数時間に渡る打ち合わせ会議をしたあと、
スタッフで懇親会をしました。これから終了の12月まで、またひとつ
のプロジェクトを運営していくメンバーの一人になります。何かが始まる
ときというのはいいものです。

私はあまりアルコールが強くありません。その日によっては少しビール
を飲んでも平気なこともありますが、だいたいは眠くなってしまいます。
昨日は乾杯のあと、飲み干したビールがことのほかおいしかったのです
が、最後はちょっと眠っていましたね(笑)

□◆□…優嵐歳時記(148)…□◆□

    自動ドア抜けて蝉しぐれの中へ     優嵐

蝉は真夏を代表する昆虫です。多くの蝉がいっせいに鳴くと、まるで
驟雨のように聞こえるので「蝉しぐれ」といいます。腹部の特別な
室に張られている薄い鼓膜を筋肉の力で振動させて鳴きます。鳴くのは
雄だけです。

蝉は大都会でも普通に見られます。冷房の効いたビルから一歩外へ出た
とたん、頭上から降るような蝉しぐれ。皮膚にまとわりつくような暑さ
とともに一気に汗が吹き出します。アスファルト上に蝉の抜け殻が転
がっていました。蝉の羽化は早朝です。背中が割れて、薄い色をした
蝉が姿を見せます。まだ羽が十分伸びておらずしばらくは飛ぶことが
できません。長い幼虫期間に比べると、成虫として過ごすのはほんの
短い間です。

□◆□…優嵐歳時記(147)…□◆□

    夜の雷静かに雲を光らしむ     優嵐

ここ数日、午後から積乱雲が発生し、夜になると決まってどこかで
雷が鳴っています。どうやら山沿いでは雷雨がきているようなの
ですが、私の家からは雲が光るのが見えるくらいで、雨はありません。
「雷」は年中発生しますが、夏が最も多く、夏の季語になっています。
雲の中の電気が他の雲や地面との間に放電する現象です。

古来日本人は雷を鬼の姿で思い描いており、今も太鼓を背にした
鬼の神が雷さまのイメージとして定着しています。そういえば、
子どものころは雷さまがおへそを取りに来るよ、なんて言われたもの
ですが、今ではもうそんなことは言わないのでしょうか。せいぜい
コンピュータの電源を落とせ、と言うくらい?(笑)

□◆□…優嵐歳時記(146)…□◆□

    真ん中にスイカを置いて車座に      優嵐

「スイカ」は季語の分類では、初秋ということになっています。
しかし、現実の感覚としては夏のものでしょう。実際に他のスイカ
関連の季語「西瓜割り」や「西瓜冷やす」が夏の季語になっている
のですから、奇妙な感じです。

職場のスタッフが家でとれたスイカを持ってきてくれました。私に
とってスイカといえば、圧倒的に夏休みの食べ物です。暑い日の午後、
縁側で冷やしたスイカを切ってもらい、口の周りや胸を果汁で濡らし
ながら食べた記憶がいくつも蘇ってきます。スイカは上品にスプーン
でちょぼちょぼっと食べるより、大きく切り分けたのを手づかみで
とり、かぶりつくのが一番おいしい食べ方だと思います。

□◆□…優嵐歳時記(145)…□◆□

    夕涼のテニスコートに球を打つ      優嵐

私は毎週一回ナイターでテニスをしています。昼間は強い日差しが
照りつけるコートも夕暮れ時ともなれば涼しい風が吹いて、かなり
しのぎやすくなります。プレーをすれば汗だくになりますが、それ
でも気持ちのいいものです。

夏は暑い季節ですから、涼しさというものがとりわけ珍重されます。
クーラーの行き渡った現代でも、やはりそれは変わらないでしょう。
一歩建物をでれば炎天であり、冷房に慣れた身体にはそれがいっそう
堪えます。だからこそ、ほんの少しの涼気や朝夕の涼しさがうれしく
感じられるのではないでしょうか。

□◆□…優嵐歳時記(144)…□◆□

    あこがれを映して高し雲の峰      優嵐

「雲の峰」とは積乱雲のことです。入道雲ともいいますね。強い
日差しによって地表が熱せられ、激しい上昇気流が起こって、晴天の
真夏の午後にむくむくと立ち上がります。場合によっては上空数千
メートルに達します。その輪郭は鋭く、青空を背景に夏の陽を反射
して輝いているさまには、むき出しの真夏のエネルギーを感じます。

ただし、歌言葉として用いられた形跡はなく、むくつけき入道雲は
貴族の歌の題にはとりあげられませんでした。もともとは漢詩から
きた言葉で、それが俳諧に取り入れられ、詩語として定着したのは
元禄時代以降です。芭蕉が「雲の峰いくつ崩れて月の山」と詠んで
います。

□◆□…優嵐歳時記(143)…□◆□

    梅雨明けの紺天へバイク走らせる      優嵐

近畿地方も梅雨明けしました。すでに7月に入って以来あまり梅雨
らしくないお天気が続いていましたから、気象庁の梅雨明け宣言が
むしろ遅い感じがしました。気分的なものですが、やはり梅雨明け
の声を聞くと、「真夏なんだ!」とウキウキした気分になります。
猛暑が続きますので、多くの方がげっそりされているようですが、
私は真夏という響きが大好きです。

今年の梅雨、姫路周辺ではやや雨量が少なめかなという印象を受け
ます。7月に入ってからはほとんど梅雨らしい空模様はなく、台風
が来ていなければ、空梅雨気味だったかもしれません。

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