優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(1008)…□◆□

  立春の水面に空のベビーブルー  優嵐

今日から春です。風邪がおさまったので、オートバイに
乗って図書館へ行きました。予約していた本が貸し出し
可能になったとの連絡を受けたからです。予約の本の中
には、期待通りのものも、それほどでもないものもあり、
借りられるということはありがたいです。

買って手元に置いておく本というのは、辞書や図鑑などの
ように何度も参照する必要があるもので、他のものは
ほとんど図書館で借りるか、買っても中古本として処分
してしまいます。狭い部屋の中で本をすべて手元において
おくことは、なかなか困難ですから。

□◆□…優嵐歳時記(1007)…□◆□

  両耳の冷たさ連れて森歩く  優嵐

節分寒波というべきか、少し寒い日が続いています。
風邪気味で、一日中どこへも出かけず家にいました。
外をうろつくのも好きですが、部屋の中で本を読んだり、
ゴロ寝をしたりするのも好きです。

ふだんすこぶる体調のいい人間ですので、少し体調が悪い
とてきめんに用心します。不快ということが私には耐え
られないのだなあと思ったり。

べったり寝ていたわけではなく、パソコンで日経平均先物
のチャートをながめつつ、来週からのトレード戦略を
考えていました。あ、こういうやり方があるじゃないか
と気がついてチャートをいじくっているのは、また楽しい
時間です。

□◆□…優嵐歳時記(1006)…□◆□

  雪しぐれ降らせつつ雲山巡る  優嵐

二月に入って寒い日が続いています。今日は雪がちらつき
ました。増位山の山頂展望台からは姫路市街と周りの山々、
播磨灘が見渡せます。北の山はすっかり雲に隠れており、
市川の対岸の山、さらにはそこに連なる東北の山肌に雪を
降らせながら雲が移動しているのがよくわかりました。

夏場の夕立で、雨の地域が移動していくのを見たことが
ありますが、雪も同じなのだな、と思いながら見ていました。
すでに夕方で、増位山頂は雪雲から抜けており、西からの
夕陽に雪雲の側面が茜色に染まっていました。

□◆□…優嵐歳時記(1005)…□◆□

  流れ来る川は二月の空の色  優嵐

二月になりました。毎年二月になると、もう一ヶ月過ぎて
しまったのか、と驚きます。冬も間もなく終わりです。
昨日から少し冷えて、大寒の最後のふんばりか、と思い
ますが、日差しは明るく、春がすぐそこに来ていること
が実感されます。

二月が寒く感じられるのは、この明るさのために身体が
勘違いするからではないかと思います。明るい=暖かい、
と感覚的に期待するのですが、空気はまだそこまで暖かく
はなっていない、そういうズレです。

□◆□…優嵐歳時記(1004)…□◆□

  猪の出る話して寒の暮  優嵐

増位山随願寺の寒桜の前を歩いていると、中から奥さん
が出てこられ、「お茶飲んでいきますか?」と声をかけ
ていただきました。夕暮れ時で、夜になると猪が毎晩
出てくるそうです。歩いて下山すると猪に出会うことも
あるので、「車ですよね?」と確かめられました。

今日は何か催しがあったようです。床机に座っていると、
温かい緑茶が運ばれてきました。目の前に寒桜が咲いて
おり、薄暗くなってくる中でその花びらをながめながら
おいしい緑茶をいただきました。

□◆□…優嵐歳時記(1003)…□◆□

  テニスコート出て仰ぎけり寒の月 優嵐

今日は旧暦では師走十二日です。まだ旧暦では師走の
半ばということです。月はかなり太ってきています。
暖冬で、ナイターでするテニスも、今年は手袋をまったく
使いませんでした。コートで少しボールを追いかけると
すぐに汗が流れてきます。

テニスは難しい球技だと言われます。ネットをはさんで
行うタイプの球技の中では最も広い面積のコートを使い、
ラケットは一番大きく、コートサーフェイスはさまざまです。
アスファルト、アンツーカー、カーペット、芝、ゴム、砂入り
人工芝など、実にさまざまな素材がコートに使われます。
こういうことは他の競技ではまず考えられないでしょう。

年間グランドスラムが非常に難しいというのも、かつては
フレンチオープン以外はすべて芝のコートだったものが、
今はすべて異なるサーフェイスになっているからでしょう。
全く違うコートになって以来、年間グランドスラムを達成
したのは88年のシュテフィ・グラフただ一人です。

□◆□…優嵐歳時記(1002)…□◆□

  枯木立あいだに風の音がある  優嵐

落葉樹が冬に落葉しつくしたのを「枯木」と呼び、昔から
季語になっています。最近では「裸木」という人も増えて
きています。文字通り枯れて死んでしまった木は季語には
なりません。「冬木」は常緑樹も指し、含まれる範囲が
違います。

一月も終わりとなり、日が長くなってきました。日差しが
明るくなり、光にはすでに春の気配が溢れています。
梅の蕾も日に日に膨らみ、増位山の山頂から見える播磨灘
も、なんとなく春を感じさせる景色でした。

□◆□…優嵐歳時記(1001)…□◆□

  松葉蟹とろける刺身の甘さかな  優嵐

今日は、ISIS編集学校の関西在住の仲間とともに、香住
までJR西日本の日帰りツアーを利用して松葉蟹を食べに
行ってきました。昨日は猪、今日は蟹、と兵庫県の冬の
味覚を満喫した週末になりました。こんな贅沢もたまに
はいいでしょう。

蟹の刺身を最初に食べ、蟹ちりの合間に焼き蟹、蟹みそ
が出て、お酒も少しいただきつつ、お腹いっぱい蟹を
食べました。最後は蟹雑炊でしめくくりです。やはり
本場で食べる蟹は絶品でした。

□◆□…優嵐歳時記(1000)…□◆□

  干支なれば丹波篠山牡丹鍋  優嵐

友人に誘われて、篠山市で露天風呂と牡丹鍋を楽しんで
きました。”牡丹”とは猪の肉のことです。兵庫県での
本場は篠山です。町中に牡丹鍋を扱う店が軒を連ねて
います。生の猪肉をスライスしたものを、白菜、大根、
葱、エノキ、里芋、春菊、椎茸などとともに味噌仕立て
でいただきました。

三歳の雌の肉だということで、これくらいの年齢のもの
が柔らかく、おいしいそうです。分厚い脂肪層がついて
いますが、これが見かけとは異なり、口の中に入れると
すっと溶けていくようなすっきりした味わいでした。
これなら、いくらでも食べられてしまうと思ったほどです。
身体が温まりました。

気がつけば、千句になりました。こんなに続くとは
思っていなかったのですが、うれしい驚きです。ブログ
を始めたのは2004年の立春の頃ですから、ほぼ3年かけて
千句。自分自身の生活にも変化があり、変らないよう
でもそれなりに変わるものだ、と感慨があります。

□◆□…優嵐歳時記(999)…□◆□

  寒日和棚田いっぱい陽の満ちる  優嵐

私が住んでいるあたりは、市川が作り上げた河岸段丘と
思われる地形が広がっています。階段状の土地に水田が
開かれています。急峻な山肌に作られた棚田とはまた
異なるのかもしれせんが、これも棚田の一種かと思います。

今日は夕方から雨になっています。この冬は高温多雨だと
いうことです。昨日はいいお天気で、マウンテンバイクで
冬の田んぼ道を走ってきました。

ギアを切り替えて坂道を登って行き、高いところから一気
に下るのも楽しいものです。下っていくと、畦にとまって
いたハシボソガラスが次々羽ばたいて場所を変えます。

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