優嵐歳時記

俳句と季語。日本の自然と四季が生み出した美しい言葉を。

□◆□…優嵐歳時記(689)…□◆□

   月出でしなでしこ色の二月空  優嵐

夕方の散歩もかなり遅く出られるようになりました。
冬至のころは真っ暗だった5時ごろでも、まだ陽が
西の空にあります。日没の時間が遅くなるだけでなく
夕暮れの時間が長くなっていくのも春の特徴です。

夕映えの中で輝いている西の空の雲を眺めて、ふと東に
目をやると、ちょうど山の上に月が昇ってきたところ
でした。明日が満月です。東の空もまだ明るく、
柔らかな赤みがかった紫色をしていました。


□◆□…優嵐歳時記(688)…□◆□

   残る寒さ旧街道を抜けていく  優嵐

午後からお天気が下り坂でした。どんよりと曇る中、
姫路城の隣にある城内図書館までマウンテンバイクで
行ってきました。途中、旧街道の面影が残る商店街を
通っていきます。

近くには井原西鶴や近松門左衛門の小説・戯曲で有名な
「お夏・清十郎」ゆかりの慶運寺があります。許されぬ
恋ゆえに、清十郎は刑死し、お夏は狂乱するという
哀しい恋物語。

当時、刑死者には墓も許されませんでした。せめて
あの世で添い遂げられるように、と誰かがふたつの石を
おいて霊を慰めたものが、「比翼塚」として現代まで
伝えられています。


□◆□…優嵐歳時記(687)…□◆□

  芽吹き待つ枝を鳴らして春北風  優嵐

日中かなり北風が強く、日差しは輝いていましたが、
寒い一日でした。強い風にあおられて桜も欅も揺れて
いました。

「北風」は冬の季語であり、春の場合には「春北風」
と書いて「はるきた」あるいは「はるならい」と詠み
ます。今日の句は「はるならい」と読んでください。

「ならい」は関東地方で吹く冬の季節風の呼び名です。
風の名前には漁師言葉など独特のものがあり、それが
俳句にも取り入れられて言葉を豊かにしています。


□◆□…優嵐歳時記(686)…□◆□

  子犬待つ新しき小屋春初め  優嵐

今日は数日ぶりに昼間の強い北風がおさまり、穏やかな
お天気でした。遠くの山の木々もほんのりとした色合い
で、春らしさを感じました。

今、住んでいるところの近所では次々新しい家が建設
されていて、その素早い仕上がりぶりに驚きます。
散歩の途中で新しく引っ越してこられたばかりのお宅の
前を通ったら、真新しい木製の小さな犬小屋が庭に
すえつけられていました。まもなく小屋の主がやって
くるのでしょう。


□◆□…優嵐歳時記(685)…□◆□

   春遅し頬に尖りし風を受く  優嵐

立春を過ぎましたが、連日寒い日が続いています。
今日も北風が強く、戸外にいると、寒中よりも寒く感じ
ました。それでも、夕暮れは日に日に遅くなり、空の色
は柔らかく、春の気配です。

なかなか春本来の暖かさがやってこないことを「春遅し」
「おそ春」「春遅々」などという季語で表します。梅や
満作の蕾も固く、人々の装いも真冬のまま、そのような
中で、本格的な春を待望する気持ちがこの季語には
こもっています。


□◆□…優嵐歳時記(684)…□◆□

  春嵐あとの夕陽のやわらかき  優嵐

午後からかなり強い雨交じりの風が吹きました。
春の強風、突風、烈風を「春嵐」「春疾風」と詠みます。
すべてのものの冬の眠りをさますような激しい風です。
雪崩や洪水の原因になることもあります。

しかし、嵐は夕方には去り、窓を開けると山にかかり
つつある夕陽が見えました。どことなくうるんで、
ほんのりとした春らしい夕陽です。


□◆□…優嵐歳時記(683)…□◆□

  ふんわりと残る冬菜へ牡丹雪  優嵐

冷えると思っていたら、お昼過ぎから雪が降り始めました。
真冬とは違い、一片が大きな牡丹雪です。結晶同士が
くっつくためこのように大きくなり、牡丹の花びらのよう
だということから「牡丹雪」と呼ばれます。

かなり激しく降り、山も畑もにわかに真っ白になりました
が、しだいに雨に変わり、夕方には溶けてしまいました。
春先は気圧配置が変わり、日本海側よりもむしろ太平洋側
に雪が降るようです。


□◆□…優嵐歳時記(682)…□◆□

  春淡しクリーム入りのパンを買う  優嵐

暦の上では春ですが、まだしばらくは寒い日が続きます。
夕方散歩をしていたら、水溜りに氷がはっていました。
日が当たらないところでは一日溶けずに残っているので
しょう。

ジョウビタキを見かけました。有料道路の高架下の隣を
歩いていると「ヒーッ、ヒーッ」という鳴き声が聞えて
きます。見回すと、ダークオレンジのお腹で黒い背に白い
紋をつけた雄が柵に止まっていました。

市川の堰のところではヒドリガモマガモコガモ
混じった100羽ほどの群れが休んでいました。少し離れて
カルガモも20羽ほどが群れていました。


□◆□…優嵐歳時記(681)…□◆□ 

   田に雪のうっすらとあり寒の明け  優嵐

昨夜は冷え込み、夜の間に少し雪が降ったのでしょう。
ほんの少しですが、朝、雪が積もっていました。今日は立春。
風はまだ冷たいですが、今日から春です。俳句を詠んでいて、
一番楽しいのが季節の節目を感じるときです。新年に続く
次の区切りになります。

二十四節気は立春に始まり、大寒に終わります。
『優嵐歳時記』はこれで三年目に入ります。二年前に「立春」
の季語でブログを始め、昨年の12月からプロバイダーが
変わりましたが、楽しく書き続けています。季節は巡り、
円環のように戻ってくることが、実感されるこのごろです。


□◆□…優嵐歳時記(680)…□◆□

   冬尽きぬ並びし旗のはためきて  優嵐

今日は節分。大寒の最終日であり、冬の終わる日です。
「節分」は本来二十四節気の気候の移り変わる立春、立夏、
立秋、立冬の前日の総称でしたが、しだいに立春の前日の
夜を指すようになりました。

各地の有名神社仏閣では、人気タレントやスポーツ選手が
年男となって豆まきがおこなわれているところも多いですね。
家庭では豆まきの他に恵方巻と呼ばれる巻き寿司を食べる
習慣もあります。立春に邪気を祓い、祝福の神を招きいれよう
との願いがこめられています。


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