□◆□…優嵐歳時記(1483)…□◆□

  ほととぎす鳴くや静かな雨の中  優嵐

一昨日あたりから家の近所でホトトギスが鳴いています。
キョッキョッキョッ、キョキョキョと何度もくり返し
朝から日が暮れるまで囀っています。繁殖期なので、
雄としては必死の囀りというところでしょう。

「鳴いて血を吐くホトトギス」とは、なるほどと思います。
この鳥は”托卵”というおもしろい性質を持っています。
他の野鳥の巣に卵を産み、その鳥に雛を育てさせて
しまうのです。

主な托卵相手はウグイスです。ウグイスの囀りも聞こえ
ますので、このウグイスが托される相手かしらと少々
気の毒になります。ホトトギスはウグイスよりずっと
大きく、図鑑を見ると、自分より巨大になった雛に
せっせと餌を運んでいる写真が載っています。

どうして仮親は雛を育てるのか、と不思議に思いますが、
これは本能行動で、自分の作った巣の中に卵があるのを
見ると抱卵してしまい、巣の中の雛が声を出すのを聞き、
口を開けるのを見ると給餌してしまうのだそうです。