□◆□…優嵐歳時記(1833)…□◆□ 

<ZARD・坂井泉水三回忌コンサート@日本武道館>
 薔薇供えカラーも供え合掌す   優嵐

ZARDの三回忌コンサート、坂井泉水さんはやはり会場にきてくれました。最初はおとなしくステージのトイピアノのところに立っていました。この赤いトイピアノは"My Baby Grand"と彼女が呼んだオモチャのピアノのことで、『My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて』という曲にもなっています。レコーディングのときもそばに置いて大のお気に入りだったようです。

しかし、会場の雰囲気が盛り上がってくるにつれ、だんだん会場のあちこちに出没するようになり、ラストの三曲、『揺れる想い』、『こんなにそばに居るのに』、『負けないで』となると、もう会場いっぱい飛びまわっていましたね。体育会系、陸上競技短距離の神奈川県中学記録を持っていたという彼女の真骨頂です。重い肉体がない分、さらに自由にみんなの間を駆け回っていました。会場一杯に彼女自身が広がっていた、と言っていいかもしれません。

会場入口付近には献花台が設けられ、「ライブに来ていただいてありがとうございます」という泉水さんの自筆のメッセージとうつむき加減のお馴染みの写真が飾られていました。多くの花束が捧げられている前で、私も合掌してお礼を言ってきました。今回未公開映像もいくつか見ることができました。可愛いらしいものや微笑ましいものもあり、また、本当にこの仕事が好きで心から楽しんでいたんだなあと感じられるものもありました。

彼女の公開写真はカメラ目線でないものがほとんどを占めていますが、今回いくつか写真を見比べるうちに、彼女の視線には恐ろしいほどの意志の強さがにじみ出ているために、公式写真からははずされたのではないか、と感じました。妥協を知らない作品への強い意志がその瞳に宿っていて、うつむき加減の写真とはまた違う一面をみせています。そういう面を持っていなければ、とてもあのような作品は残せないでしょう。