□◆□…優嵐歳時記(86)…□◆□

   憧れは天指すこころ夏きざす   優嵐

島原や天草というと、やはり隠れキリシタンの歴史は避けて通れま
せん。厳しい弾圧と迫害に耐えて信仰を守り続けた彼らは、江戸末期、
大浦天主堂(当時はフランス寺と呼ばれたとか)へ、フランス人の
プチジャン神父を訪ね、キリスト教信者として名乗りをあげます。
270年近くの空白期間の後の「信徒発見」はキリスト教史上でも初めて
のことでした。

今回、天草では崎津天主堂と大江天主堂、長崎で大浦天主堂と浦上
天主堂を訪ねました。それぞれの建物にさまざまな歴史があります。
外観はもちろん、中に入ると天井が高く、アーチ状になっていて、
視線が天上に向かって引き上げられるのを感じます。外は少し汗ばむ
ほどの陽気でも、聖堂の中は静かでひんやりとした空気に満ちて
いました。