□◆□…優嵐歳時記(95)…□◆□

   若楓彼方に三川合流す   優嵐

この土曜日に京都府大山崎町にある大山崎山荘美術館へ行って
きました。ここは大正時代に関西の実業家、加賀正太郎が、
留学したイギリスのテムズ川の眺めをもとに設計した英国風の
山荘です。平成8年、アサヒビールが地元の要請にこたえて
山荘を修復し、美術館としてオープンしました。

二階のバルコニーからの眺めが素晴らしく、さすが山荘、と思い
ました。ここに詠んでいる三川(さんせん)は、桂川、宇治川、
木津川のことです。この地で合流し淀川になります。ビールを
飲みながら楓の若葉や蓮の花を楽しみました。

楓はカエデ科の落葉高木。秋の紅葉はもちろんのこと、若葉の
時期の明るい美しさも格別で、「若楓」の季語となっています。
吉田兼好は『徒然草』で「卯月ばかりの若楓、すべてよろづの
花紅葉にもまさりて、めでたきものなり」と称えています。