□◆□…優嵐歳時記(1861)…□◆□

  つばめ来て柿の青葉をめぐり飛ぶ   優嵐

雨は夜の間に降って、日中はいいお天気でした。部屋からお向かいの畑にある柿の木が見えます。青葉を茂らせ、つやつやと日光を反射しています。そのまわりへ何羽かの燕がやってきてぐるぐる旋回していました。今年巣立った幼鳥でしょうか。

彼らもあと二ヶ月あまりすれば、南へ旅立ちます。誰が教えるわけでもないのにちゃんと渡っていくというのは、凄いものだと思います。これも一種の知性である、と何かで読みました。知性というのは、脳で考える論理とか理屈だけではなく、肉体そのものや種そのものが持っている知性というのもある、と。

いちいち脳で意識しなくても臓器が動いてくれたり、ホルモンが分泌されたりするのも考えてみれば凄いことです。何日か前に食べた卵や納豆がいつの間にか「自分」になっていて、そのとき「自分」だったものは、もうどこか別の場所に移動しています。一年もたてば自分を構成していた分子はすっかり入れ替わっているといいます。絶え間ない新陳代謝によって生かされており、諸行無常=生きている、ということですね。

090625