□◆□…優嵐歳時記(1890)…□◆□

  土砂降りのあがればたちまち蝉しぐれ   優嵐

梅雨明けを思わせる青空が広がりました。一日ずれていれば、見事な日食を楽しめたのにとちょっと残念ですが、それが自然というものなのだと思います。ままならないからこそ素晴らしい。

先日、大雪山系で夏山には珍しい大量遭難事故がありました。ツアー会社の責任が問われることになるのでしょうが、自然の中へ入っていくときは、不測の事態が発生することを常に頭においておかないと、とあらためて思いました。

私も山へよく行きますが、日本の山の場合、単独行がほとんどです。山歩きの本には単独行は危ない、と書いてあるのですが、今回の事故を見ていると、集団行動だから逆に危険を回避できなかった部分があるのでは、と感じます。単独行の場合、責任はすべて自分にありますから、慎重になります。

以前、南アルプスの農鳥岳(3,026m)で天候の急変に遭遇したことがあります。予定の山小屋まで行くのを断念し、引き返して途中の山小屋に入った直後、土砂降りの雷雨になりました。グループ行動だったら、素早い決断ができたかどうか。

山はひとたび天候が崩れると下界とは全く違う世界になります。それでもアウトドアでの単独行には、ただひとりで静かに自然の中へ入っていくという他では味わえない魅力があります。


<視線>
ふと誰かに
見られてる気がして
ふりむくと
ひまわりの
黄色い視線に
ぶつかった


090724