□◆□…優嵐歳時記(1922)…□◆□

  秋天を映して青し播磨灘   優嵐

季節の移り変わりは的確です。梅雨が長く盛夏が短かったのですが、秋の歩みは例年どおりのようです。日本の季節を最も確実にあらわしているのが二十四節気だと言われています。処暑をすぎ、昨日は風が爽やかに吹き渡り、森を歩いていてもあまり蒸し暑さを感じませんでした。

風があったせいで雲も空気中の靄も吹き払われて真っ青な空が広がり、頂上からは播磨灘全体がくっきりと見渡せました。こんな日にはつくづく日本は美しい国だと思います。人が住む場所でこれほど美しく変化に富んだ環境に恵まれた国はそんなにないのではないでしょうか。緑に覆われた山々、清流、海、細やかな四季の移り変わり…。

ヨーロッパへ飛行機で行くとき、新潟あたりから日本海を飛び越しユーラシア大陸に入ります。ここからヨーロッパのどこの国へ降り立つかで飛行経路は多少異なりますが、大半はユーラシア大陸の人影もまばらな山脈の上を飛んでいきます。

ときおり村か町が見える時がありますが、ここに暮らしている人たちは一生海をみることは無いのかもと思ったりします。狭くなったとはいえ、地球は生身の人間にとっては広大です。日本列島がどれほど恵まれた位置にあるか、地図を開いてみると驚きます。


<風が変った>
風が変った
それをわたしは何で感じるのだろう
風の音?
風の色?
風の匂い?
風の感触?
風の味?
そのいずれでもあるようなないような
曰く言いがたく
それでも確実に風は変った

090825