□◆□…優嵐歳時記(1924)…□◆□

  ヘッドフォン外せば虫の夜となり   優嵐

音楽はもっぱらヘッドフォンで聴きます。昼間は外部の騒音を避けるためにインナーヘッドフォンを使います。近所の改築工事の音さえほぼ遮断してくれますから、凄いものだなと思います。夜はこちらの音を部屋の外に漏らさないようにオーバーヘッドフォンを使っています。どちらも付け心地がいいので重宝しています。

夜、ヘッドフォンを外した瞬間、虫の声が聞こえてきました。こういう瞬間が好きです。季節の微妙な進み加減を瞬時に教えてくれる何か。大げさですが、こういうのが生きている喜びじゃなかろうか、と思ったりするのです。

部屋から見える山の緑の感じがどことなく変ってきたのにも気がつきました。もう夏の「万緑」といった強く輝くような緑ではありません。ゆっくりと帰り支度を始めた、そんな趣があります。


<単純に>
かんじんなことは 
とても単純な姿をしているのかもしれない
誰もが難しく考えすぎて
罠におちこんでいる

近くで見すぎると何がなんだか
わからなくなってしまう
少し離れてみよう

転びたくない落ちたくないと
身体をかたくすると
しなやかさが無くなってしまう

だけど
素直に単純にものごとを見るのは
実は一番難しい

おさなごころを
人がいつか失ってしまうように
もしかしたら
失ったことさえ忘れている
思い出してごらんよ


090827