□◆□…優嵐歳時記(1982)…□◆□

  青空は欅黄葉のうえにあり   優嵐

快晴で風はなく真っ青な空が広がって最高の秋日和でした。こんなに美しい日は気持ちが浮き立つと同時にちょっと切ないような悲しいような気持ちになります。日が差し込む森は明るく、赤く色づく木の実があちこちに見え、歩いていてこれほどいい日はそんなにないくらいなのですが。

人の心理状態というのは、単純なようでいて単純ではなく、自分でも把握しきれないところがいろいろあると感じます。


<このまま>
こんなにも空が澄みきった日には
何もかも脱ぎ捨ててしまいたくなる

濁ったものや淀んだものを
すべて置き去りにして
この青空の中に溶け込んでしまえたら

このまま目を閉じて
秋の光の中で透明になる
重い体やわずらわしいあれこれを
ぜんぶ捨て去って

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