□◆□…優嵐歳時記(2003)…□◆□
落葉敷くうえにテントを広げけり 優嵐
日ごと落葉の量が増えています。頂上近くの森は少し空が透いてきたような気がします。暴風雨でもないかぎり、この一年ほぼ毎日ここにきました。しかし、毎日何かしら変化があって飽きるということがありません。人工物の中ではこうはいかないだろう、と思います。
将来人間が宇宙ステーションのようなところで住むようになったら、空気とか食べものはそれなりに管理されて不自由なく提供されるでしょうが、こうした自然が与えるあたりまえすぎて計算さえしなかったようなものたちの影響が問題になってくるような気がします。
<トランク>
できるだけ
ものをもつまいときめた
いまどんどん手ばなしている
本も道具も服も何もかも
今必要でないものを
いかにたくさんもっているだろう
しがみついている
かかえこんでいる
なんのために
大地震が起きたら?
病気になったら?
ナントカが起きたら?
98%くらいそんなことは
起こらない
もう終わってしまったはずの
ものも後生大事にもっている
なんのために
できることなら
トランクひとつで
引越しができるくらいに
なりたいもの
落葉敷くうえにテントを広げけり 優嵐
日ごと落葉の量が増えています。頂上近くの森は少し空が透いてきたような気がします。暴風雨でもないかぎり、この一年ほぼ毎日ここにきました。しかし、毎日何かしら変化があって飽きるということがありません。人工物の中ではこうはいかないだろう、と思います。
将来人間が宇宙ステーションのようなところで住むようになったら、空気とか食べものはそれなりに管理されて不自由なく提供されるでしょうが、こうした自然が与えるあたりまえすぎて計算さえしなかったようなものたちの影響が問題になってくるような気がします。
<トランク>
できるだけ
ものをもつまいときめた
いまどんどん手ばなしている
本も道具も服も何もかも
今必要でないものを
いかにたくさんもっているだろう
しがみついている
かかえこんでいる
なんのために
大地震が起きたら?
病気になったら?
ナントカが起きたら?
98%くらいそんなことは
起こらない
もう終わってしまったはずの
ものも後生大事にもっている
なんのために
できることなら
トランクひとつで
引越しができるくらいに
なりたいもの
コメント
コメント一覧 (2)
>自然が与えるあたりまえすぎて計算さえしなかったようなものたちの影響
これはじゅうぶん考えられることですね。人間は機械ではありませんからねぇ。
昔、お昼に惣菜屋のお弁当を食べてばかりいたら、四角い弁当が食べられなくなってしまったことがありました。決まった時間に決まった形のものが決まった配置で食べるのが苦痛になったのです。丸い陶器のお茶碗や、木のお椀に移し替えてしのいでいたら治りましたが、あのときは自分でもどうしたものか?と戸惑いました。
そういう部分を補ってくれるのが、自然というハプニングなのかも知れないと思います。
トランクひとつで引越し、コレ理想ですね。
わたしが身ひとつでいろいろできる、素の人間力に憧れるのも、最終的にはこれなんじゃないかと思います。
コレクションは、外ではなく、内にしたいんですよね。
>四角い弁当が食べられなくなってしまった
人間の心というのは不思議ですね。こういうあたりが感性とでもいいますか。理屈じゃない。人工知能の研究も進んでいますが、人間の心は脳に還元できないし、コンピュータともまた全く異質のものだろうなと思う昨今です。
トランク一つは考えて見れば十代の頃からの理想でもありました。隠遁者になりたいというのが高校生のころの望みでしたから(笑)。別に世をはかなんでいるとか人間嫌いとかそういうわけではないのですが。コレクションを内にしたい、というのは確かです。あの世に持っていけないものはすべてあんまりたいしたものではないだろうと思ったりします。