□◆□…優嵐歳時記(2017)…□◆□

  不要物さっぱり捨てて冬構   優嵐

ようやく持ち物の整理が終わりそうです。オークションに出して引き取ってもらえそうなものはすべて出し終わり、買い手がつかなければ処分することにします。思い立って開始したのが十月に入ったころでしたから、ほぼ二ヶ月かかったことになります。

押入れも倉庫代わりに使っていた部屋もタンスも何もかもがらんとしました。あの膨大な品物たちはいったい何だったのか、と思ってしまいます。まだ捨てるものがあるので、さらに部屋はがらんとしていきそうです。

今日、送り出した山用の道具を引き取ってくださった方から「ぴったりで喜んでいます」との連絡をいただき、うれしくなりました。ああ、あれもこれも次の場所で次の人生を始めているんだな、と思うと「楽しんでね」と声をかけてやりたくなります。日本人は品物にも魂を認め、針供養のようにモノの魂を慰める習慣を持っています。自分にもそういう気持ちがあるんだ、と実感しました。

「冬構(ふゆがまえ)」とは、本格的な冬の到来を前に家の内外にいろいろな設備を施して雪や風に備えることです。北国、雪国ではこれらの準備が大掛かりなものになります。不要物の処分が私なりの冬構だったかな、と感じています。


<一言>
誰かのほんのちょっとした一言で
心がふわっと
あたたかくなることがある

特別な人であることも
特別な言葉であることも
特別な場面であることも
必要ない

何気ない
でも誠実なその一言
それが不意にやってきて
心のどこかに触れるとき
なんて人間は素晴らしいんだろうと思う

その人は気がついていないかもしれない
何かお返しするにも
できないことがほとんど
見ず知らずの人の場合もある

だから思う
このバトンを次の人に渡そう
渡したいと思う人でありたい、と


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