□◆□…優嵐歳時記(2032)…□◆□

  つややかに葉陰に光り冬苺   優嵐

増位山ではこの時期になると、あちこちで冬苺を見ることができます。冬苺は山地の木陰に自生するバラ科の低木で茎は蔓状に伸びます。夏に白い花を咲かせ、冬に小さなルビー色の実をつけます。ほんのり甘く、集めるとジャムにできるのではと思ったりします。

クリスマスシーズンに出回る温室栽培の苺は「冬の苺」と詠み、冬苺と区別しています。しかし、「冬苺」と詠みながら、あきらかに温室栽培の苺をさしている句もありますので、まぎらわしいところです。

今日は午後から時雨がちでした。日が最も短い時期に入っており、夏との日照角度の差を実感しました。夏至前後には、北側の部屋の奥まで朝日が入ったのですが、今は午前中から南の部屋に日が差し込んでいます。


<鼓動>
夜中に目覚めて
枕に当てた耳の奥で
鼓動を聴いていた

心臓が形成され
最初の拍動を始めてから
すでに何度目の鼓動だろう

眠っているときも
笑っているときも
何かに夢中になっているときも
いっときも休むことはない

鼓動を与えたのは誰?
鼓動をつかさどっているのは誰?
それが私自身でないことだけは確か

いのちは私のものであるようで
私のものではない
何かから与えられ
いっとき預けられているもの

だからこれほど鼓動は真摯なのだ

PICT0719