□◆□…優嵐歳時記(2033)…□◆□

  もっちりと煎りし銀杏冬うらら   優嵐

まだ本格的なこたつは出していません。今年の一月ごろから妙に足の裏が暖かというかおかしな感じになってそれが今も続いており、あまり暖房が必要な感覚がないのです。もともと暖かい土地だからというせいでもありますが、真冬でも眠るときはこれまで暖房器具を使ったことがありません。

夢を見ていました。どこかの大きなターミナル駅のようなところにいて、そこでバーゲンセールをやっているのです。華やかなのに偽ブランド品を売るような怪しげな雰囲気です。私はそこで何かを忘れていることに気づき、焦っていました。それが何だったか、財布だったのかケータイだったのか…。

鞄の中を探ると見たこともない携帯端末が出てきました。それをあれこれ触っていると、背後から昔の同僚二人に話しかけられました。その瞬間、これは夢だ、と夢の中で思っていました。そして、夢なんだから夢から出れば忘れたか失くしたかと思っているもののところに戻れるはずだ、と考えたとたんに目が覚めました。

夢の中で「これは夢だ」と意識している状態を専門用語では「明晰夢」と呼ぶそうです。明晰夢を見た経験は初めてです。面白いですね。


<夢>
私たちは夢の中にいるのかもしれない
目が覚めて現実を生きていると
思っているけれど
本当は夢なのかもしれない

夢だとわからないうちは
現実だと信じているから
悩み苦しみ必死に何かにしがみつく

私たちがこの世の生を終わるとき
「ああ、これは夢だったんだ」
と初めて気がつくのかもしれない

そして
傍らの誰かから言われるのだ
「いい夢を見たかい?」と


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