□◆□…優嵐歳時記(2040)…□◆□

  厳寒の深く晴れにし空仰ぐ  優嵐

寒波の影響で冷え込みが続いています。今年最後のアートセラピーに参加してきました。前半で、この一年を振り返ってという課題で絵を描きました。今年は私にとっては大きな転機になった年でした。二月から三月にかけてまず最初の転機がやってきました。

進化というのは徐々に進むのではなく、あるとき急激に変るといいますが、今年の変化はそういう感じでした。何か具体的なきっかけがあったというわけではありません。ただ、水面下では知らない間に何かが起こっていて、それが一気に露わになって、本人にも予測できないような形になったのだと思います。

あのとき、「もう死んでもいいや」と書きましたが、実際、人生最大の課題をひとつクリアしたと思いました。これが生きることの最大の目的だったら、ゴールに到達したじゃないか、と思ったのです。被害者意識から解放され、同時に自分が単なる偶然によって産み落とされた肉の塊ではないことに気づきました。これは表裏一体で、自分が肉体を超越した存在だと悟ったから、被害者意識を乗り越えることができたとも言えます。

物心ついたときからその二つがずっと心の中にありました。自分はどこからきてどこへ行くのか、何のために生きているのか、そういうことをずっと考え続けてきました。どんなに面白おかしくやろうと思っていても常にそのことが頭のどこかにあり続けました。家庭環境の悩みは巨大な足枷だと思っていましたが、ひっくり返してみるとジャンプ台でもあったのです。

いろいろな導きがあってここまでたどり着けたと思います。その意味ではいままで出会ったものすべてに(よかったと思えることも最悪だと思えたことも)感謝したいと思います。良いとか悪いとかいうことは、その時点での自分という限られた視点の判断によるもので、簡単には決められません。そのことも教えられたことでした。

生きる目的というのは、何か凄い金銭的、社会的な名誉、名声、成功をおさめるといった類のものではない、と今では思います。また、世間でよく言われている、”愛する人と家庭を築いて、可愛い子どもを育てて”といった「本当の幸せ」という類のものでもない、と思います。それが何かはその人が探求していくしかないし、人それぞれみんな違うのです。


<宝物>
真実はあまりに身近にあって
だから誰も気づかない

握り締めているものが宝石だとは
誰も思わない

だからどこかへ探しに出かける
あの山の向こう
あの海を越えて
あの空の果てへ

実はそんなところに宝物はない
宝物はずっと自分とともにあった
古ぼけたザックの底に転がっていた
何の変哲もなさそうな石ころ
それが宝物だったのだ


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