□◆□…優嵐歳時記(2075)…□◆□

  光さす森ゆく冷たき耳連れて   優嵐

「冷たし」は冬の寒さが身体に触れて感じられることを表します。「寒し」が大気全体だとすれば、人体の一部を対象として詠むのがほとんどです。手、耳、鼻、頬、足などが代表的でしょう。

森を歩いているとその明るさが日に日に増しているのがわかります。それでも気温は寒く、身体は汗ばんでいるのに耳の冷たさには驚きます。帽子をかぶるかイヤーマフをつけるといいのでしょうが、それほど長時間歩き回るわけでもないので、そのままにしています。

紅梅の次の一本が花を開き始めました。蝋梅はどんどん開き、甘い香りを送ってくれています。平日は静かな増位山ですが、冬の週末は低山歩きの人たちによく会います。


<春>
森に降り注ぐ光を見ろよ
もう春はすぐそこだ

佐保姫のお目覚めだ
今ごろ髪をとかしているよ
春の髪飾りを選んでいるだろう

淡い衣を身に纏い
両手いっぱいに花束を抱えて
もうすぐやってくる

しなやかに
駆けてくる足音が聞こえないか


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