□◆□…優嵐歳時記(2108)…□◆□
白梅をわずかに風のそよがせる 優嵐
バンクーバーオリンピックも大詰めです。女子フィギュアスケートの浅田真央選手、銀メダル獲得おめでとうございます。参加された選手のみなさん全員に、「お疲れさまでした」とお礼をいいたいですね。
今日の坂井泉水さんの月命日には、2000年シドニーオリンピックNHK放送テーマ曲としてZARDが制作した32番目のシングル『Get U're Dream』(00.9.6)を取り上げます。YouTubeを渉猟して、3つの異なるバージョンを見つけることができました。制作してくださったみなさん、ありがとうございます。オリンピックバージョンは歌詞そのものが少し異なっています。三つとも甲乙つけがたいですが、私はしいて言えばシングルバージョンが好みかな。
Get U're Dream(アルバムバージョン?)
Get U're Dream(シングルバージョン)
Get U're Dream(オリンピックバージョン)
どうやら、ZARDの多くの楽曲でこうしたバージョン違いのトラックがあるようです。制作にかけた意気込みが伝わってくるようですね。オリンピックバージョンの動画の冒頭には、坂井泉水さんがカメラ目線で話している大変珍しい映像が出てきます。作品制作に徹底的にこだわり、ほとんど公の場に姿を見せなかった彼女の映像の多くが、ヘッドフォンをつけて歌っている姿です。ビジュアルが美しい人であるだけに、そのストイックさがより際立って見えます。
ただこの映像を見ていると、大勢の人や知らない人の前で話すことが、彼女は苦手だったのだろうと感じます。坂井泉水さんが人前で話している映像はWebのコメントやライブのMCまで含めてすべてYouTubeにアップされているのではないかと思います。もともと公開されているものはごくわずかしかないようですから。
そして、その特徴ですが、最初期のテレビ出演時以外、誰かの質問に答えるインタビュー形式で話しているものはありません。あらかじめ自分でこれを話そうと考えていた内容を暗記し、カメラに向かって必死で語りかけている、そういう印象です。そのため、声は緊張した抑揚の少ないものになっています。坂井泉水さん自身が認めているように決して「しゃべり」がうまいとは言えません。
ところがボーカルになると彼女の声の表情が一変します。微妙な発声、息遣い、リズムのほんのわずかなずらし加減などを駆使して、楽曲の細かなニュアンスまで自在に表現しているのです。私は彼女ほど息遣いが魅力的なボーカリストを他に知りません。ここにあるギャップは何なのか、と正直びっくりします。恐らく、パフォーマンスが苦手だったために、表現意欲が濃い密度をもって歌と詞に注ぎこまれたのでしょう。
昨年、三回忌コンサートの翌日に高島屋の『坂井泉水展』で見た彼女の直筆を思い出します。雑誌からの取材に答えた原稿で、彼女自身がここは強調したいと感じたであろう項目は、余白まではみだすほどびっしりと書き込まれていました。さらに消しゴムで消して何度も書き直した跡があり、「ああ、この人はいつも一生懸命に表現しようとしていたんだなあ」と何か胸にしみるような思いでその筆跡を見ました。
ウサギに飛ぶことを、カラスに泳ぐことを、サカナに走ることを教えようとしてはならない、といわれます。その人がそのために生まれてきたといえるほどのものが見つかったならば、すべてを振り捨ててそこに向かうべきです。坂井泉水さんの姿は、それを教えてくれています。歌の中でこそ彼女は翼を思い切り広げ、高く舞い上がることができたのです。
今日の名言:自分で道を見つけよう。さもなくば、自分で道を創ろう。
白梅をわずかに風のそよがせる 優嵐
バンクーバーオリンピックも大詰めです。女子フィギュアスケートの浅田真央選手、銀メダル獲得おめでとうございます。参加された選手のみなさん全員に、「お疲れさまでした」とお礼をいいたいですね。
今日の坂井泉水さんの月命日には、2000年シドニーオリンピックNHK放送テーマ曲としてZARDが制作した32番目のシングル『Get U're Dream』(00.9.6)を取り上げます。YouTubeを渉猟して、3つの異なるバージョンを見つけることができました。制作してくださったみなさん、ありがとうございます。オリンピックバージョンは歌詞そのものが少し異なっています。三つとも甲乙つけがたいですが、私はしいて言えばシングルバージョンが好みかな。
Get U're Dream(アルバムバージョン?)
Get U're Dream(シングルバージョン)
Get U're Dream(オリンピックバージョン)
どうやら、ZARDの多くの楽曲でこうしたバージョン違いのトラックがあるようです。制作にかけた意気込みが伝わってくるようですね。オリンピックバージョンの動画の冒頭には、坂井泉水さんがカメラ目線で話している大変珍しい映像が出てきます。作品制作に徹底的にこだわり、ほとんど公の場に姿を見せなかった彼女の映像の多くが、ヘッドフォンをつけて歌っている姿です。ビジュアルが美しい人であるだけに、そのストイックさがより際立って見えます。
ただこの映像を見ていると、大勢の人や知らない人の前で話すことが、彼女は苦手だったのだろうと感じます。坂井泉水さんが人前で話している映像はWebのコメントやライブのMCまで含めてすべてYouTubeにアップされているのではないかと思います。もともと公開されているものはごくわずかしかないようですから。
そして、その特徴ですが、最初期のテレビ出演時以外、誰かの質問に答えるインタビュー形式で話しているものはありません。あらかじめ自分でこれを話そうと考えていた内容を暗記し、カメラに向かって必死で語りかけている、そういう印象です。そのため、声は緊張した抑揚の少ないものになっています。坂井泉水さん自身が認めているように決して「しゃべり」がうまいとは言えません。
ところがボーカルになると彼女の声の表情が一変します。微妙な発声、息遣い、リズムのほんのわずかなずらし加減などを駆使して、楽曲の細かなニュアンスまで自在に表現しているのです。私は彼女ほど息遣いが魅力的なボーカリストを他に知りません。ここにあるギャップは何なのか、と正直びっくりします。恐らく、パフォーマンスが苦手だったために、表現意欲が濃い密度をもって歌と詞に注ぎこまれたのでしょう。
昨年、三回忌コンサートの翌日に高島屋の『坂井泉水展』で見た彼女の直筆を思い出します。雑誌からの取材に答えた原稿で、彼女自身がここは強調したいと感じたであろう項目は、余白まではみだすほどびっしりと書き込まれていました。さらに消しゴムで消して何度も書き直した跡があり、「ああ、この人はいつも一生懸命に表現しようとしていたんだなあ」と何か胸にしみるような思いでその筆跡を見ました。
ウサギに飛ぶことを、カラスに泳ぐことを、サカナに走ることを教えようとしてはならない、といわれます。その人がそのために生まれてきたといえるほどのものが見つかったならば、すべてを振り捨ててそこに向かうべきです。坂井泉水さんの姿は、それを教えてくれています。歌の中でこそ彼女は翼を思い切り広げ、高く舞い上がることができたのです。
今日の名言:自分で道を見つけよう。さもなくば、自分で道を創ろう。
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