□◆□…優嵐歳時記(2121)…□◆□

  春嵐朽木をどうと横たえる   優嵐

先日の夜の風のために自然歩道に木が倒れてきていました。すでに枯死して久しく幹は微生物によって分解され朽ちていたため、強風に耐えられなかったようです。自然の移り変わりのひとつの姿といえます。

鎌倉の鶴岡八幡宮のご神木の大銀杏が春の嵐で根元から折れてしまったそうです。源実朝暗殺のとき、甥の公暁が隠れていたとされる木です。残念なことですが、寿命と考えるしかないでしょう。生き物だけでなく、山脈や海洋、果ては太陽や銀河系、この宇宙そのものまで生死を繰り返しているのですから。


<帰還>
死が恐ろしいとは
あまり思わない

もちろん
往来でナイフを振り回す人に
出会ったならば
反射的に逃げる

けれど死に至る
病や衰えや苦しみが
恐ろしいのであって
死そのものは憩いだ

死後の世界がなかったとしても
完全な無になってしまうのだとしても
それはそれで素晴らしい

自分がやってきたおおもとへ帰る
ほんとうの故郷へ帰る
死とはそういうことだ


今日の名言:死を恐れることは、あなたが賢くもないのに賢いと思うことと同じである。


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