□◆□…優嵐歳時記(2139)…□◆□ 

  囀りと木漏れ日連れて森歩く   優嵐

森を歩くことの楽しさはいろいろあります。この時期であれば繁殖期を迎えたさまざまな野鳥の囀りを楽しむことがあげられます。何と言っても筆頭はウグイスですが、シジュウカラのツツピー、ツツピーという鳴声もよく聞こえます。

まだツバメの姿は見えません。毎年三月終り、遅くとも四月初めには姿を見せます。花冷えの思わぬ寒さでちょっと一休みしているのかもしれません。桜の開花はそれでも連日進んでいます。もし暖かければ急速に花開いて散ってしまいますから、温度が低いことを歓迎していいのでしょう。

野鳥の渡りや囀りを司っているのは日照時間です。ウグイスのような留鳥は同じ土地で次第に生理的な条件が整っていくため、最初は不完全な囀りが日を追ってしだいに完成していきます。渡りをする夏鳥はすぐに縄張り確保という繁殖の準備がありますから、完成された囀りを伴ってやってきます。

人は息を吐き出す時に声を出しますが、鳥は吸う時にも声が出せます。これを知るとあの小さな身体であれほど大きく長時間囀ることができる理由が納得できます。





<花たち>
梅林に午後の日差しが当たる
半分以上の梅がもう花を散らせた
それでもまだ香りは馥郁としている

寒冷の中から真っ先に花をつけ
最後まで香り高く咲く梅

そのはるか上で
今にも開こうとしている
無数の山桜の蕾たち

香りはない
けれど
美しく散っていく花吹雪の潔さを
開く前から運命づけられている


今日の名言:幸せを語りなさい。あなたの苦悩を除いても、世界は悲しみに満ちているのだから。