□◆□…優嵐歳時記(113)…□◆□

    立葵背筋のばして咲きにけり  優嵐

葵と書けば、かつては薬草として用いられたフユアオイを指しました
が、今では単に葵というとタチアオイを指します。西アジア、中国が
原産で、観賞用に栽培され、『枕草子』にもカラアオイという名で
登場しています。

草丈は2メートル以上になり、真っ直ぐに伸びます。暑くなり始める
ころ、白やピンク、紅といった大きな花が下から開花していきます。
ハイビスカスと同じ仲間(アオイ科)なのだということですが、
確かにそう言われてみれば花の雰囲気が似ています。どちらも照り
つける強い日差しが似合う花です。

水戸黄門で有名な徳川家の「葵の御紋」の葵はフタバアオイで、
ウマノスズクサ科の全く異なる植物です。