□◆□…優嵐歳時記(2156)…□◆□

  春の闇山の丸さを包みおり   優嵐

十四日が新月でした。「春の闇」とは月の出ていない春の夜の暗さをさします。「闇」が季語になっているのは、春だけです。この闇は単なる真っ暗闇というのではなく、ほのかな明るさと水分を含んだ潤んだやわらかさを持つ闇です。

木々の芽吹きや花の香りなどさまざまな命の息吹の匂いもそこに交じり、どことなくなまめかしい情感が漂います。ふわりと柔らかいものに包まれるような、神秘的なそういう感覚です。

木曜日は曇り空で肌寒いお天気でした。森を歩くと晴天の日のように陰影が濃くないため、逆に若葉の色をはっきり感じました。増位山にはコナラ、アベマキ、タカノツメ、アラカシ、ヒサカキ、ソヨゴ、コバノミツバツツジ、ヤブツバキなどが生えています。落葉樹と常緑広葉樹が混ざっている森です。

最初から新鮮な緑色をしているものもありますが、赤っぽいものもあります。ヤマザクラの葉はその典型でしょうか。若葉に毛虫がいるのを見つけました。落葉樹だけでなく常緑樹も新芽を出しています。それぞれの若葉の出方に特徴があり、それらを観察しながら歩くのも楽しいものです。


<泳ぐ>
若葉が萌え出す森
明るい緑の底を歩く私は
フレッシュグリーンの
海を泳ぐ魚


今日の名言:君にとって何が大切か考えること。それで君の生き方が決まる。


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