□◆□…優嵐歳時記(122)…□◆□

    抜き去りて皐月の風を正面に  優嵐

「皐月」は陰暦五月の異名です。おおむね新暦の六月ごろにあたり
ますが、2004年は閏二月があったため少し遅れて、今日が5月5日
です。端午の節句ですね。「五月晴れ」というと今では、新暦の
五月の晴天を指して使うようにもなっていますが、本来は梅雨の合間
の晴れ間を指したものです。

陰暦五月の異称は他に「早苗月」「橘月」「五月雨月」「月見ず月」
「たぐさ月」などがあります。いずれも自然の風物が浮かんでくる
風流な名前といえます。

この句は私がオートバイに乗って、前をゆっくり走る大型トラックを
抜き去った瞬間の様子を詠んでいます。前方の安全を確認し、右へ
寄ってウインカーを点け、スロットルを回して、一気に加速します。
視界を遮っていたトラックの大きな背中から解放された爽快感。
だからオートバイは素敵です。