□◆□…優嵐歳時記(2161)…□◆□

  頂の空は我がもの岩燕   優嵐

昨日は二十四節気の穀雨でした。春の最後の節になり、暦の上の春はあと二週間で終わります。空模様はまだすっきりしませんが、気温はさすがにあがってきました。増位山の頂はツツジの競演です。コバノミツバツツジに続いてモチツツジが咲き始めました。モチツツジは花の萼や柄、葉などの腺毛から粘液を分泌します。そのためそこにふれると粘り気があります。名前の「モチ」はそれに由来しています。

頂では春から夏にかけてイワツバメの姿が見られます。ツバメより小さく腰が白く全体にツバメよりずんぐりしている印象です。しかし、飛翔の素早さはツバメの名に恥じません。ツバメが家並みの中を飛ぶのに対し、こちらは下界を見下ろす頂近くを颯爽と飛びます。もし、一日だけ鳥にしてやろうと言われたら、私はイワツバメを選びたいですね。


<阿部槇>
阿部槇の巨木の下に朽ちた枝が落ちていた
見あげると広げた枝の隅々から
今年の若葉が生まれ始めている

阿部槇にとって何度目の春だろう
冬にはあたり一面この阿部槇の葉で埋まる
朽ちた枝は阿部槇が自分自身で落としたもの

脱ぎ捨てるもの、切り離すべきものを
阿部槇は知っている
そうして長い年月を生きてきた
手放すべきものは手放して


今日の名言:人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如し。


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