□◆□…優嵐歳時記(130)…□◆□

    万緑や時いずこより流れ来る    優嵐

「万緑」は濃淡様々であった緑が、すっかり濃い緑になり、強い夏の
日差しの下で輝いて見えるさまをいいます。6月も今日で終わり、
2004年がこれで半分過ぎ去ったことになります。年々一年が過ぎて
いく速さに加速度がついていく気がしてなりません。子どものころは
あれほど時間がたっぷりあるように思っていたのに、今では走り去る
時間を必死で追いかけている始末です。

時間は相対的なものだと誰かが言っていました。7歳の子にとっての
1年は人生の7分の1だが、70歳の人にとっての1年は70分の1に
すぎない、と。流れ去るのは時間だとばかり思っていましたが、今
では流れ去っているのは我が身の方だということが、実感されるように
なりました。