□◆□…優嵐歳時記(2200)…□◆□

  夏草の中へうさぎの跳んで消え   優嵐

増位山の駐車場近くでウサギを見かけました。飼われていたのが野生化したものと思われます。こちらがじっとしているときは、そのままでしたが、腕をわずかに動かしただけで、敏感に察知して逃げていってしまいました。

視覚は動きに敏感です。これは人間でもそうでしょう。視野の端であっても何かが動くとぱっとそれに気がつきます。ポップアップ広告や動画の広告が神経にさわるのは、そうした視覚の性質を刺激するからではないかと思います。

動きに敏感なのは進化の名残なのかもしれません。捕食者の気配をいちはやく感じ取って逃げる。人間はここまで知能が発達し、共同で狩をおこなうようになるまでは、多分捕食されるばかりの弱い存在だったでしょうから。


<五月の森>
快晴の五月の森をひとり歩く幸せに
匹敵するものはあまりない
強くなった日差しは
広がった青葉でさえぎられ
その下を心地よい風が通り抜けていく

重なり合った青葉の
微妙な色合の変化
ほんのわずかな風にも
木漏れ日がゆらゆらと揺れる

ひとり森の空間を行くとき
私は広がっており
自由で開かれている
木々や鳥やせせらぎや
あらゆるものとの境界が
果てしなく薄くなる



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