□◆□…優嵐歳時記(2228)…□◆□
あめんぼや空と雲とをつなぎゆく 優嵐
漢字で「水馬」と書くアメンボはアメンボ科の水生昆虫です。三対の肢のうち、後の二対が特に長く、池沼の水面を滑走して小昆虫を捕食します。体長5mmから30mm程度、黒くて細長く、水の上を軽やかに動きます。体から飴のような匂いがすることが名前の由来です。
さて、今日の坂井泉水さんの月命日には、14番目のシングル『Just belive in love』(95.2.1)を取り上げます。私は、歌詞に彼女の実体験がそのまま歌われていることは、それほど多くないと思っています。もちろん、体験を核にしてはいるでしょう。しかし、そこから経験していない世界までイメージを拡げ、聴き手が楽しめる詞をアレンジして提供するのが作詞家だと思います。
ただ、全体を通してみるとやはり作詞家・坂井泉水の世界観が浮かんできます。個性というのはそういうもので、意識的にこうしようとか、こういうキャラクターを出そうというのではなく、にじみ出てしまうもの、そこはかとなく感じられるものです。
ZARDの楽曲に登場する男性像は比較的よく似ています。不器用でパフォーマンスは苦手だけれど信頼でき、少年のような感性を持っている。彼女の心の中の男性像でしょう。この人物像は男性であると同時に坂井泉水さん自身の象徴のように思えます。いくつかの楽曲で”自分と似ている”という表現を使っています。
---でもあなたを見ていると 私と似ていてもどかしい 『心を開いて』
---負けず嫌いの二人だからほっとしたの 『Don't you see』
---どうでもいいこと気にするところ 二人よく似てるね 『息もできない』
『Just belive in love』の中にも「そんなとこ 二人はよく似ているね」というフレーズが出てきます。
Just belive in love
この楽曲の特徴はさらに二つある、と思います。ひとつは「あんなに熱く焦がした想いが揺れている」というフレーズです。この歌は全体としては、ようやく恋がかなった喜びを歌っていると考えられます。それにもかかわらず、このフレーズは主人公が迷っている、揺れているという印象を与えます。
『揺れる想い』のように、ここの「揺れる」は彼女ならではの恋愛の心情を表現する言葉なのかもしれませんが。こういう微妙な、「あれ? 二人の関係はどうなっているんですか」と一瞬不思議を呼び起こすような言葉の用い方は、他の楽曲にもいくつか出てきます。これが坂井泉水流の独特の世界を形づくっているとも言えます。
さらに楽曲の最後は、「微笑みも忘れたくなるこの都会(まち)で つまづくことさえも明日への希望へと変えてゆこう」としめくくられます。恋愛を歌いながらそこにさりげなく励ましのフレーズを入れている、恋愛の物語に託しながら、彼女が伝えたかったのはむしろこちらなのではないか、と思わせる余韻がある、これがZARDの世界ですね。
あめんぼや空と雲とをつなぎゆく 優嵐
漢字で「水馬」と書くアメンボはアメンボ科の水生昆虫です。三対の肢のうち、後の二対が特に長く、池沼の水面を滑走して小昆虫を捕食します。体長5mmから30mm程度、黒くて細長く、水の上を軽やかに動きます。体から飴のような匂いがすることが名前の由来です。
さて、今日の坂井泉水さんの月命日には、14番目のシングル『Just belive in love』(95.2.1)を取り上げます。私は、歌詞に彼女の実体験がそのまま歌われていることは、それほど多くないと思っています。もちろん、体験を核にしてはいるでしょう。しかし、そこから経験していない世界までイメージを拡げ、聴き手が楽しめる詞をアレンジして提供するのが作詞家だと思います。
ただ、全体を通してみるとやはり作詞家・坂井泉水の世界観が浮かんできます。個性というのはそういうもので、意識的にこうしようとか、こういうキャラクターを出そうというのではなく、にじみ出てしまうもの、そこはかとなく感じられるものです。
ZARDの楽曲に登場する男性像は比較的よく似ています。不器用でパフォーマンスは苦手だけれど信頼でき、少年のような感性を持っている。彼女の心の中の男性像でしょう。この人物像は男性であると同時に坂井泉水さん自身の象徴のように思えます。いくつかの楽曲で”自分と似ている”という表現を使っています。
---でもあなたを見ていると 私と似ていてもどかしい 『心を開いて』
---負けず嫌いの二人だからほっとしたの 『Don't you see』
---どうでもいいこと気にするところ 二人よく似てるね 『息もできない』
『Just belive in love』の中にも「そんなとこ 二人はよく似ているね」というフレーズが出てきます。
Just belive in love
この楽曲の特徴はさらに二つある、と思います。ひとつは「あんなに熱く焦がした想いが揺れている」というフレーズです。この歌は全体としては、ようやく恋がかなった喜びを歌っていると考えられます。それにもかかわらず、このフレーズは主人公が迷っている、揺れているという印象を与えます。
『揺れる想い』のように、ここの「揺れる」は彼女ならではの恋愛の心情を表現する言葉なのかもしれませんが。こういう微妙な、「あれ? 二人の関係はどうなっているんですか」と一瞬不思議を呼び起こすような言葉の用い方は、他の楽曲にもいくつか出てきます。これが坂井泉水流の独特の世界を形づくっているとも言えます。
さらに楽曲の最後は、「微笑みも忘れたくなるこの都会(まち)で つまづくことさえも明日への希望へと変えてゆこう」としめくくられます。恋愛を歌いながらそこにさりげなく励ましのフレーズを入れている、恋愛の物語に託しながら、彼女が伝えたかったのはむしろこちらなのではないか、と思わせる余韻がある、これがZARDの世界ですね。
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