□◆□…優嵐歳時記(2256)…□◆□

  頂の青筋揚羽雲に触れ   優嵐

歳時記には「夏の蝶」として取り上げられています。夏は大型のアゲハ類が目だちます。アオスジアゲハは翅に青い筋模様がある美しい蝶です。単に蝶とだけいえば春の季語になりますが、実際にもっともよく蝶の姿を目にするのは夏に入ってからです。季語は季節を先取りするところがあります。人の関心の向け方がそうだからでしょう。

今日も暑い一日でした。暑い時は暑く、寒い時は寒いのが私は好きです。メリハリがあっていいし、俳句を詠む材料もその方がたくさん登場してくれます。最も暑い時はあと十日ほどでしょう。すでに晩夏であり、立秋を過ぎれば日差しがはっきり変わります。


<海風陸風>
長い夏の夕暮れが宵へと移るころ
まだ灯りを点していない部屋の
南北の窓を開け放って
湯上りの身体を冷ましていた

日中は南風がよく通る
熱せられた内陸に向かって
播磨灘から吹き込んでくる風が
この部屋も通りぬけていくのだ

水道水がお湯になるような日でも
その風が部屋を通れば扇風機はいらない

風は北の中国山地にぶつかって天に向かい
高く輝く入道雲を発達させる
日中絶え間なく吹き続けた南風が
夕暮れとともに北からの微風に変わっている

暮れていく部屋の中で
風を感じているのが好きだ


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