□◆□…優嵐歳時記(2259)…□◆□
午後三時初蜩に森の澄む 優嵐
ヒグラシは別名「かなかな」といい、北海道南端部以南に分布するセミです。セミの中では小形で、夏から秋にかけ、明け方や夕刻にカナカナと涼しげな声を聞かせてくれます。「初蜩」はその年初めて聞くヒグラシの声をさし、夏の季語です。秋近しを感じます。一方「蜩」は初秋の季語ですから、この辺の使い分けが俳句の妙です。
今日の坂井泉水さんの月命日、本日は5枚目のオリジナルアルバム『OH MY LOVE』(95.6.4)に収録されている『来年の夏も』について書きます。7月6日に取り上げた『二人の夏』が過ぎ去った遠い恋へのノスタルジアを歌っているのに対し、こちらは現在進行形の恋を描いています。発表曲153曲中、意外にも季節の名前が題名に織り込まれているのは、この二曲と『夏を待つセイル(帆)のように』と『新しいドア〜冬のひまわり』のみです。うち三曲が夏というのは、イメージどおりかもしれませんね。
来年の夏も
この曲、ライブツアーで歌っているくらいですから、彼女にとってお気に入りの一曲だったのでしょう。歌詞そのものは、どちらかというと演歌っぽいというか、「あなたの愛のレッスンで弱い自分も好きになれたの」なんて、昔の歌謡曲のようです。彼女は森進一やテレサ・テンに詞を提供していますし、自身の楽曲にも少し演歌がかったメンタリティを歌ったものがいくつかあります。
ただ、この辺がZARDの立ち位置の絶妙さだったのかもしれないと感じます。強く自己主張するというのではなく、かといって古風に留まり続けるのでもなく、励ましながらも暑苦しくはなく、きれいなのだけど、女性の反発を買うようなきれいさ可愛らしさではなく、男性がひいてしまうようなところもなく…。こういう空気をかもし出せる人はありそうでなかなか無いものです。
初期からの映像を一気に見て感じることなのですが、彼女自身の面差しや雰囲気は不思議なほど変わっていません。また服装やヘアスタイルも古びないというか、どの時代でもそれなりに通用してしまうスタンダードなスタイルを通しています。最初期以外、全くといっていいほどアクセサリー類を使用せず、メイクアップもごく薄いものです。
生の彼女が実際にどのような人だったのかは、私にはわかりません。しかし、残されている映像を見る限り、ZARD・坂井泉水をプロモーションしたスタッフは実に見事であったと思います。彼女の個性を見抜き、彼女が最も輝けるようなイメージをさりげなく構築しました。坂井泉水の才能がすべての土台であるのは事実ですが、もし全く異なるプロモーションを行っていたら、ZARDは随分違ったものになっていただろうと思います。
午後三時初蜩に森の澄む 優嵐
ヒグラシは別名「かなかな」といい、北海道南端部以南に分布するセミです。セミの中では小形で、夏から秋にかけ、明け方や夕刻にカナカナと涼しげな声を聞かせてくれます。「初蜩」はその年初めて聞くヒグラシの声をさし、夏の季語です。秋近しを感じます。一方「蜩」は初秋の季語ですから、この辺の使い分けが俳句の妙です。
今日の坂井泉水さんの月命日、本日は5枚目のオリジナルアルバム『OH MY LOVE』(95.6.4)に収録されている『来年の夏も』について書きます。7月6日に取り上げた『二人の夏』が過ぎ去った遠い恋へのノスタルジアを歌っているのに対し、こちらは現在進行形の恋を描いています。発表曲153曲中、意外にも季節の名前が題名に織り込まれているのは、この二曲と『夏を待つセイル(帆)のように』と『新しいドア〜冬のひまわり』のみです。うち三曲が夏というのは、イメージどおりかもしれませんね。
来年の夏も
この曲、ライブツアーで歌っているくらいですから、彼女にとってお気に入りの一曲だったのでしょう。歌詞そのものは、どちらかというと演歌っぽいというか、「あなたの愛のレッスンで弱い自分も好きになれたの」なんて、昔の歌謡曲のようです。彼女は森進一やテレサ・テンに詞を提供していますし、自身の楽曲にも少し演歌がかったメンタリティを歌ったものがいくつかあります。
ただ、この辺がZARDの立ち位置の絶妙さだったのかもしれないと感じます。強く自己主張するというのではなく、かといって古風に留まり続けるのでもなく、励ましながらも暑苦しくはなく、きれいなのだけど、女性の反発を買うようなきれいさ可愛らしさではなく、男性がひいてしまうようなところもなく…。こういう空気をかもし出せる人はありそうでなかなか無いものです。
初期からの映像を一気に見て感じることなのですが、彼女自身の面差しや雰囲気は不思議なほど変わっていません。また服装やヘアスタイルも古びないというか、どの時代でもそれなりに通用してしまうスタンダードなスタイルを通しています。最初期以外、全くといっていいほどアクセサリー類を使用せず、メイクアップもごく薄いものです。
生の彼女が実際にどのような人だったのかは、私にはわかりません。しかし、残されている映像を見る限り、ZARD・坂井泉水をプロモーションしたスタッフは実に見事であったと思います。彼女の個性を見抜き、彼女が最も輝けるようなイメージをさりげなく構築しました。坂井泉水の才能がすべての土台であるのは事実ですが、もし全く異なるプロモーションを行っていたら、ZARDは随分違ったものになっていただろうと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
埼玉のフクヤンです。
このところの猛暑、いかがおしのぎですか。
私は、エアコンの効かせすぎで、夏風邪を引いてしまいました。
その年初めて聞くヒグラシの声を「初蜩」ということを初めて知りましたが、いい俳句ですね。
夏の森の爽やかさが伝わってきます。
優嵐さんも、酷暑の折から、くれぐれもお体をお大事にしてください。
今後ともよろしくお願いいたします。
夏風邪ですか。冷房の室内と屋外の温度差が身体には負担ですよね〜。今年は暑い夏ですし。都会は特にそうでしょう。風邪を長引かせないようになさってください。無理は禁物ですよ。多分今年は残暑も厳しいでしょうから。
俳句のご感想をありがとうございます。涼しさを感じていただけるとうれしいです。