□◆□…優嵐歳時記(2262)…□◆□

  空蝉をやわらかく握るたなごころ  優嵐

森を歩いていて空蝉(うつせみ)を見つけました。空蝉とは、蝉の抜け殻のことです。今朝は雨が降っていましたが、それでも羽化したのでしょう。蝉の卵は木に産み付けられて孵化し、幼虫は地中にもぐります。そこで数年から十数年木の根の汁を吸って成長します。

十分に成長すると、地上に這い出し木の幹や枝につかまって脱皮します。羽化したセミが飛び立ったあとに脱け殻が残されます。これが空蝉です。古来、空しいことはかないことの喩えに使われ、無常観ともむすびついて「うつせみ」との音があてられ、詩歌に詠われてきました。

しかし、この脱け殻を手にとってよくよく見るとそのあまりにも精巧な脱け殻ぶりにびっくりします。背中の真ん中あたりが割れて成虫が抜け出しているのですが、目玉、六肢、触覚などすべてがそっくりそのままの形で鋳型のように残っているのです。


<ナックル>
野球にナックルボールという球種がある
その変化は風に舞う木の葉のようであり
誰も予測できない
投げた本人にさえも

ナックルを投げるピッチャーには
緻密なコントロールも多彩な球種も剛速球も必要ない
ナックルがくるとわかっていても
バッターは打つことができない

いいナックルをストライクゾーンに投げる
そのことに集中できればいい
肩や肘を酷使しないため
投手としての寿命も長いという

ナックルは「ニッチ」だと思う
あらゆる分野にナックルがあるはずだ


IMG_0700