□◆□…優嵐歳時記(2282)…□◆□ 

  虫の音のいつか始まる夜となり   優嵐

真昼の外気温は38度まであがっていました。真夏よりも気温が高く発熱状態です。日中は風がよく通る部屋にいますが、それでも熱気で部屋中のものが熱くなっているのがわかります。水道から出るのはお湯ですし、畳も蒲団もみんな熱気を帯びています。

これほど気温があがっていても森の木陰は涼しく感じます。日差しが遮られていること、風が通ることが大きいのでしょう。緑がどれだけ気温を下げるかということを身体で知るこのごろです。都市緑化がヒートアイランド現象を和らげるというのは確かだろうと思います。

それでも日が沈み、あたりが闇に包まれると虫の声が聞こえてくるようになりました。厳しい残暑が続いていても季節の進みは確実です。


<飛行機>
人が空を飛びたいと思っている飛行機だとしたら
賢者というのはすでに空を飛んだ飛行機だ

空を飛んだ飛行機ができるのは
空を飛べるという事実を示すことと
滑走路まで誘導することだ

滑走路に出たら
それぞれの飛行機は自分で速度を上げ
翼に風を受けなければならない
激しい風の圧力に抗して走り続ける

あるときふっと翼が揚力を得て
飛行機は空へと舞い上がる
そこは想像もしなかった世界
どれほど速く走っても
地面から離れなければ見えない世界

一度飛び立った飛行機は思う
なぜこんなに簡単なことが
今までできなかったんだろうかと


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