□◆□…優嵐歳時記(2315)…□◆□ 

   劇場を出れば神戸の小望月   優嵐

今宵が名月、葉月十五日の月です。その前日である十四日の宵を「待宵」といい、その夜の月を「小望月(こもちづき)」と呼びます。21日の夜は神戸の神戸新聞・松方ホールで行われた「ZARD Screen Harmony」に再び行ってきました。やっぱり♪思い出の神戸の街(もう少し、あと少し…)ですからね。昔、気に入った映画を何度も見に行った、そういうのを思い出しました。

五月に行った堂島リバーフォーラムはフラットな床に椅子を並べたものでしたが、松方ホールは階段状の客席で、いい感じでした。内容はほとんど同じでしょうが、細かな手直しがされているように感じます。坂井泉水さん、前回もレコーディング中の姿が一番幸せそうと書きましたが、今回もやはりそのように思いました。

特に、もの凄く細やかな一語のニュアンス、わずかな音程のずれにもこだわって作りこんでいく様子、それを彼女自身が楽しんでいるのが伝わってきました。レコーディングに熱中するあまり、ヘアスタイルも何もぼさぼさで(まあ、それでもやっぱり美しい人ですが)ヘッドフォンから流れてくる音楽に集中し、夢中になっています。こっちも微笑んでしまいました。

ZARDの楽曲の魅力のひとつに、坂井泉水さんの息遣いがあります。それがはっきり聴こえる曲のひとつが『マイ フレンド』です。アニメ『スラムダンク』の主題歌として使われたZARDの代表曲のひとつです。アレンジによって違って聴こえるものも出ているようですが、オリジナルバージョンで収録されているものは、イントロから歌詞の歌いだしの部分---「あなたを想うだけで」と入っていく部分です---で、彼女がはっと息を吸う息遣いが見事に収録されています。

人間が歌っている、緊張と集中と意欲と熱意と、そういうものをすべて内側に持った生身の人間が歌っている、ということを、この吸い込まれる息の音が伝えてくれるのです。

マイ フレンド



あと、ライブの映像ですが、バンドのみなさんの演奏を再度じっくり聴かせていただき本当に見事だと感心しました。ZARDはもちろん、坂井泉水さんが中心ですが、彼女がピラミッドの頂点だとしたら、それを支えるバンドやスタッフのみなさん、ありとあらゆる存在が非常にうまくかみ合って、絶妙なものを生み出したのだということが、よくわかりました。


<無心>
現し世は無常の風が吹き続ける荒野
すべては風の前の塵に同じ

自分以外の誰かも
なにかの物も
あなたを幸せにしてくれることはない

時間に縛られたそれらはすべて
風の前の塵だから

幸せはあなたの内にある
あなたの内の時間を超越した場所

自らがやってきた根源へと続く
その場所を見出したとき
あなたは幸せへの道を見出す