□◆□…優嵐歳時記(2325)…□◆□

  露草の色に澄みたる野辺をゆく  優嵐

露草は秋の季語です。夏から秋にかけ、山野から人家の軒下までいろいろな場所で咲いています。今年はやはり残暑の影響で咲き始めを見るのが遅くなりました。彼岸花もようやく咲き始め、半月遅れの感覚です。

露草は朝に咲いて昼ごろにはしぼむ半日花です。その短命さが朝露にたとえられました。そのせいか、この花の青は目に染みるような清冽さを持っています。ウスリー、サハリン、北海道から沖縄、朝鮮半島、中国に分布します。


<赤とんぼ>
枝先にとまっている赤とんぼ
とんぼによってとまっている時の姿勢は違う

近づいてよく見ると
赤とんぼは翅を横に広げたまま
根元でねじって
揚力を受けないようにしている

ずっと毎年赤とんぼを見てきたのに
今日初めて気がついた
見ていたのに見えていなかった

時々首をきょろっと動かしながら
赤とんぼは平然ととまっている
それを見上げながら驚いている人間が
下にいることなど知らぬ顔で


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