□◆□…優嵐歳時記(2351)…□◆□

  柿の木に鵯の来ている雨あがり   優嵐

「柿」も「鵯(ひよ)」も秋の季語です。一句の中に季語が二つ以上入るのを「季重なり」といい、避けるべきものとされています。この句は、雨があがってふと窓の外を見たら柿の木に鵯が来て、熟れた柿を啄ばんでいるのに出会った、というそのままの情景を詠んでいます。柿を外すのも鵯を外すのも自然じゃない気がして、このような句になりました。

以前、命日には供養代わりに肖像を描いてみようかと思います、と書きました。そこで、27日には坂井泉水さんの二枚目の肖像画を描きました。今回は『きっと忘れない』の表紙から写真を拝借し、作詞者としての姿ということになります。


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万年筆とクーピーペンシルで描くのが自分にあっていると思うのは、非常に速く仕上がるからです。絵が乾くのを待つ時間は不要で、どんどん描き進めていけます。肖像の場合のポイントは目と髪です。今回の絵は、彼女が着ている霜降りのセーターを描くのも楽しかったですね。


<ヤマボウシ>
森からヤマボウシの落葉を三枚拾ってきた
鮮やかに赤く色づいている
一枚は中央に虫に食われた穴があり
一枚は左端をもう一枚は先端を
それぞれ虫に食われている

同じ一本のヤマボウシから落ちた葉なのだが
みんな形が違っている
大きさも葉脈の走り方も色づき方も
それでいてやっぱりヤマボウシの葉なのだ

植物の葉でさえこれならば
人間がみんな違っているのは
あたりまえではないだろうか