□◆□…優嵐歳時記(152)…□◆□

    大いなる自由の響き夏休み    優嵐

小中学校の夏休みが始まりました。夏休みに入ったばかりのころと
いうのはその先にある40日近くの日々が無限の自由を表している
ようで、わくわくしたものです。ラジオ体操をして、朝の涼しいうち
に宿題をして、それからプール。午前中のプールというのは水が
冷たく澄んでいて気持ちのいいものでした。

プールを出たら、濡れた身体のまま夏の日差しの中を帰りました。
帰ったらスイカを食べたり葡萄を食べたり。一本のアイスキャンデー
のおいしさは子どものときだからこそ経験できるものだったに違い
ありません。なんだかもうおぼろげな曇りガラスの向こうへ行って
しまったようなあのころの夏休みの日々。

学生のときは行き返りともフェリーというのんびりした行程で沖縄の
離島を旅してまわったことがありました。お金はなくても時間だけは
たっぷりあった時代です。真っ黒に日焼けして、あれが心おきなく
日焼けした最後の夏だったかもしれません。