□◆□…優嵐歳時記(2437)…□◆□ 

  寒晴れや色鉛筆をペン立てに   優嵐

寒中の晴天を「寒晴れ」といいます。瀬戸内沿岸では寒中はほとんど晴れの日が続きます。大寒が過ぎ、晴れた日中に戸外へ出ていると、日差しにはもう早い春の気配を感じます。明らかに十二月半ばころとは日光の力が違います。俳句の魅力はいろいろありますが、近づいて来る季節の兆しを掬い取るというのは、中でも大きいものです。

今日も河原へ散歩にいきました。ぶらぶらとあちこちを見ながら歩いていきます。少しずつ新しい場所へも足を伸ばし、新しい発見もあります。近所とはいえ、歩いて見なければ出会えない場所、出会えないものというのはいろいろあるものです。


<相似形>
足元に落ちているのを見て一瞬
木彫りの薔薇かと思った

拾い上げてみると
それはヒマラヤ杉の松かさだった

杉と呼ばれながら
ヒマラヤ杉は松の仲間
とある施設の一角に
小さな森となって育っている

知らない人に
薔薇の彫刻だと言って渡したら
信用されるだろう

ヒマラヤ杉が
薔薇を知っているはずはないのに


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