□◆□…優嵐歳時記(2517)…□◆□

  陽を受けて森に鮮やか藪椿   優嵐

増位山ではヤブツバキがたくさん見られます。代表的な照葉樹のひとつで、この時期は鈴なりになるほど紅の花をつけています。光を反射する濃い緑の葉と花の色のコントラストが鮮やかで、梅や桜とはまた一味違う花の魅力をみせてくれます。

昨日は午後に雷が鳴り、少し雨が降りました。夏の雷雨のような激しいものではなく、雷鳴は二度ほど控えめに鳴っておさまりました。雨も地面がしっとり濡れた程度で、満開の桜を散らすほどには降りませんでした。ソメイヨシノは花吹雪になりはじめており、今度本格的な雨が降ったら花は終りだろうと思います。


<生きること>
小学生のころの僕は心臓に難病を抱えていた
両親も友だちもみんな
誰もが僕を恐る恐る扱った
僕自身すらそうだった

心臓がどきどきするんじゃないか
息があがって苦しくなるんじゃないか
死んでしまうのじゃないか

けれどあのとき出会った先生は違った
---死んだら死んだでええやないか
---お前がやりたいことをやりたいようにやって
それで死んだらそれはそれで仕方ないことや
先生はそう言った

そのとおりだった
僕は階段をのぼった
恐ろしいと思って逃げるから
それがさらに恐ろしいものになる

成人することは難しいといわれた僕が
もう三十歳を超えた
やりたいことをやれ
そう言ってくれた先生

僕は今日花束を持って先生のところを訪ねる
先生は今日で定年退職だから
僕に生きることを教えてくれた先生
ありがとうと伝えたい


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