□◆□…優嵐歳時記(2528)…□◆□

  春落葉降る音森に続きおり   優嵐

落葉樹は晩秋から初冬にかけて葉を落としますが、椎、樫、檜、楠などの常緑樹は晩春に葉を落とします。落葉樹は今が芽吹きの時期であり、森は鮮やかな若い緑の色に染まっています。その中でひっそり常緑樹の葉が交代しています。初冬のように木枯しが吹いておびただしい落葉というわけではありませんが、これはこれでまた風情があるものです。

随願寺の境内でシャガが咲き始めたのをみつけました。アヤメ科の花で、ちょっと日影になった森の端や竹林のそばなどで咲いています。あまりメジャーではないものの、清楚な雰囲気を持っていて、私は好きです。


<若楓>
雨が降り始めた森へ出かけた
萌え出した緑が雨に映えみずみずしい

梅林のかたわらで
楓が若葉を広げはじめていた
日差しがないのに
はっとするほど広場が明るい

太陽の光をいっぱいに浴びるため
楓は枝を伸ばし
もっとも光を浴びやすい位置へ
その葉を並べていく

枝はこんなに下にあっただろうか
それとも
葉の重みでしだいに下がってきているのか

ふふふ、気がついた?
楓がそう言って笑っているかもしれない


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