□◆□…優嵐歳時記(184)…□◆□

    歩み出てすでに秋めく影法師   優嵐

「秋めく」とは、風や空気、空の様子、光の差し具合などがどこ
となく秋らしくなることをさす季語です。残暑の中にそれでも確実
に訪れている秋らしさ、秋の気配を言います。何を秋めくと感じる
かは主観的なものですが、いかにも日本人の感性にあった季語だと
思います。

昼間はまだ、かなり残暑が残っていますが、ひとたび日が傾くと、
その傾き加減にはっきり秋の訪れを感じます。勤務を終えて夕刻の
日差しの中へ歩み出ると、足元から前に長く影法師が伸びていき
ました。