□◆□…優嵐歳時記(2594)…□◆□
夏嵐燕くるりと腹見せて 優嵐
台風の影響なのか風の強い日が続いています。高温多湿であっても風が吹くと涼しいと感じられます。薫風、青嵐、南風などすべて「夏の風」の季語です。これが強くなると「夏嵐」と言います。緑が最も勢いよく茂る時期であり、それらが強い風にあおられて揺れ動く様子は躍動的で爽快です。
坂井泉水さんの肖像画第18作です。線描に油性マーカーを使っています。この肖像画は少し時間をかけ、いろいろ考えながら描きました。どのように描くかということと同時に何で描くかも考えました。ミクストメディアで描いていますので、画材をどのように使うかは使いながら考えていくという感じです。元になった写真は93年4月に世田谷で撮影されています。
シナベニヤ(450×310mm)、アサヒペン水性多用途つや消し白、万年筆&プラチナ顔料ブラック・顔料ブランセピア、TAJIMA油性ペイントマーカー、サクラクレパス
髪が水性顔料インクの万年筆、肌とセーターはクレパス、線描は油性マーカーという組み合わせで、まだ画材の使い方には考慮の余地があります。油性と水性の画材を同じ画面で使うには画材同士の反応も考えなければならないと実感しています。単独の画材、たとえば鉛筆は鉛筆だけ、透明水彩は透明水彩だけ、油彩は油彩だけで描くなら、その画材の特徴をつかめば描けます。
そういう描き方をすればよかったのでしょうが、いつでも中断し再開できるシンプルな画材で描きたい、しかし、色彩も描いてみたいという都合のいい願いを持ったため、こういうことになりました。今も紙とキャンバスと地塗りボードの微妙なところで試行錯誤しています。
彩色にはクレパスやクレヨンといったオイルパステルを使いたい。線描を最も描きやすいのは紙です。しかし、紙はオイルパステルには不向きです。修正が効きません。キャンバスは中間でいいのですが、張りキャンバスは下が柔らかすぎ、さらに嵩も高く収納に問題が出ます。値段も高い。キャンバスボードでもいいのですが、こちらも値段が高く、大きさにもさまざまな制限があります。
一番自由に画面の大きさを設定でき、値段が手ごろで彩色の修正も都合がいいのが、アクリル樹脂塗料を地塗りしたボードです。しかし、これについては線描で試行錯誤の段階です。顔料インクの筆ペン、水性顔料マーカー、油性マーカーこれらを全部試し、水性顔料インクはアクリル樹脂塗料の上では摩擦に弱く、定着しにくいことがわかりました。下描きを消す時に問題が出るのです。この絵の髪は顔料インクですが、このあと定着剤をかけて固定してしまうので、問題にはなりません。
油性マーカーは製品により、インクが弾かれて描けないものがあります。さらにくっきり描けたものであっても、今度は彩色の段階でオイルパステルのオイルと反応して色が溶け出してくることがあるのです。現在水性塗料地塗りボードへの線描の最終候補として残っているのは、同じ水性アクリル塗料のペンキです。これを筆で線描する。次の肖像画はそれでいくつもりです。
夏嵐燕くるりと腹見せて 優嵐
台風の影響なのか風の強い日が続いています。高温多湿であっても風が吹くと涼しいと感じられます。薫風、青嵐、南風などすべて「夏の風」の季語です。これが強くなると「夏嵐」と言います。緑が最も勢いよく茂る時期であり、それらが強い風にあおられて揺れ動く様子は躍動的で爽快です。
坂井泉水さんの肖像画第18作です。線描に油性マーカーを使っています。この肖像画は少し時間をかけ、いろいろ考えながら描きました。どのように描くかということと同時に何で描くかも考えました。ミクストメディアで描いていますので、画材をどのように使うかは使いながら考えていくという感じです。元になった写真は93年4月に世田谷で撮影されています。
シナベニヤ(450×310mm)、アサヒペン水性多用途つや消し白、万年筆&プラチナ顔料ブラック・顔料ブランセピア、TAJIMA油性ペイントマーカー、サクラクレパス
髪が水性顔料インクの万年筆、肌とセーターはクレパス、線描は油性マーカーという組み合わせで、まだ画材の使い方には考慮の余地があります。油性と水性の画材を同じ画面で使うには画材同士の反応も考えなければならないと実感しています。単独の画材、たとえば鉛筆は鉛筆だけ、透明水彩は透明水彩だけ、油彩は油彩だけで描くなら、その画材の特徴をつかめば描けます。
そういう描き方をすればよかったのでしょうが、いつでも中断し再開できるシンプルな画材で描きたい、しかし、色彩も描いてみたいという都合のいい願いを持ったため、こういうことになりました。今も紙とキャンバスと地塗りボードの微妙なところで試行錯誤しています。
彩色にはクレパスやクレヨンといったオイルパステルを使いたい。線描を最も描きやすいのは紙です。しかし、紙はオイルパステルには不向きです。修正が効きません。キャンバスは中間でいいのですが、張りキャンバスは下が柔らかすぎ、さらに嵩も高く収納に問題が出ます。値段も高い。キャンバスボードでもいいのですが、こちらも値段が高く、大きさにもさまざまな制限があります。
一番自由に画面の大きさを設定でき、値段が手ごろで彩色の修正も都合がいいのが、アクリル樹脂塗料を地塗りしたボードです。しかし、これについては線描で試行錯誤の段階です。顔料インクの筆ペン、水性顔料マーカー、油性マーカーこれらを全部試し、水性顔料インクはアクリル樹脂塗料の上では摩擦に弱く、定着しにくいことがわかりました。下描きを消す時に問題が出るのです。この絵の髪は顔料インクですが、このあと定着剤をかけて固定してしまうので、問題にはなりません。
油性マーカーは製品により、インクが弾かれて描けないものがあります。さらにくっきり描けたものであっても、今度は彩色の段階でオイルパステルのオイルと反応して色が溶け出してくることがあるのです。現在水性塗料地塗りボードへの線描の最終候補として残っているのは、同じ水性アクリル塗料のペンキです。これを筆で線描する。次の肖像画はそれでいくつもりです。
コメント
コメント一覧 (4)
空気感がすてきな作品ですね。
優嵐さんのお気持ちが静かに伝わってくるようです。
右カラムのスケッチブックのお花も、もっと、近くでじっくり見たいですね。
見せてくださってありがとうございます!
うれしいです! (^−^)
いつもいろいろヒントをいただき感謝しています。
絵を描き始めたきっかけもあの辺にあるかな、と思っています。
やー、やっぱり、またゆっくりお話したいですね!
もう髪の毛を見ただけで泉水さんとわかるぐらい、雰囲気をよく表現されてますね。なによりも泉水さんの内面がにじみでるような風情がイイ感じです。
>もう髪の毛を見ただけで泉水さんとわかる
そうなんです。悟りました。この人は「顔」を描いたら坂井泉水にはならない、ということを。その周辺の雰囲気をどう描くか、描かずに見る人に想像していただく。そして、人間の想像力というのが一番この世で強力な作用を持っていることもわかりました。