□◆□…優嵐歳時記(2618)…□◆□

  風吹けば風にかなかな鳴き初めし   優嵐

「かなかな」とは、ヒグラシの別名です。夏から秋にかけてカナカナと涼しげに鳴くことからこう呼ばれます。明け方や夕刻に鳴くことが多いといわれています。水曜日に増位山の自然歩道を歩いていたら、風とともに谷からこの声が響いてきて、すっと涼しくなりました。「初蜩」は夏の季語ですが、「蜩」は秋の季語になります。鳴き始める時期を微妙にとらえた先人の感覚の鋭さを思います。

先日大阪で買い求めたアクリル絵画用の筆を使って絵を描きました。やはり、学童用のものよりは描きやすく、次からもこちらを使おうと思いました。あたり前ではないか、と言われそうですが、専門家用と銘打たれているものが必ずしも使いやすいとは限りません。

実際、ちょっと工夫をすれば有名ブランドをつけて売られている製品と大差ないものを何分の一かの値段で買えます。廃物利用で済むこともあります。これはあらゆる分野で言えます。売る方は買ってもらうためにその差や利点を強調しますが、それを鵜呑みにすると、高い買物をして結局使い勝手が悪いということも珍しくありません。

IMG_1415<変化>
子どものころ
夏休みが始まるときは
「これからが夏だ」と思ったものだった

俳句を詠むようになって
季節感を肌で感じるようになると
学校が夏休みに入るころは
もう晩夏なのだと思う

同じ時期の中にいながら
これはパラダイムが変わったということ
外側は同じでも
それを見る目が変わったら
世界は変わる