□◆□…優嵐歳時記(2649)…□◆□ 

  細やかな雨が秋めく海峡に   優嵐

アートワークに参加するために大阪へ行っていました。土曜の午後から雨が降ったりやんだりしながら、日曜の朝まで残っていました。アートワークに行ったあとはその振り返りのレポートを書くのですが、ここ二回ばかりはこのブログに書かなかったために、一ヶ月たっていざ書こうとしたら、内容をすっかり忘れているのに愕然としました。

人が何を記憶しているかは、その人によって随分違うものです。友人と昔の話になったとき、「あの人はこのとき何をした、何を言った」などということを、とても細かく覚えている人がいるものです。私はそういう種類の記憶は素早く抜け落ちてしまいます。

覚え書きとしてブログに書いておくのはやはり必要かもしれない、と思いました。アートワークを講師として提供する模擬授業のようなものをこの一月に実施します。それに関する説明を午前中にききました。あらためてアートワークとは何かを振り返る機会になったと思います。

午後からは透明水彩の三原色(赤・黄・青)を使って虹のグラデーションを作るワークをやりました。水彩紙をたっぷり水で濡らし、そこへ薄く溶いた絵具を徐々に重ねていきます。平筆で左から右へのストロークを繰り返します。しだいに色を濃くし、境目を消してなだらかなグラデーションを作ることを目指します。

これが簡単そうに見えて難しいのです。色がなかなか濃くならなかったり、中間色がうまくできなかったり…。また、平筆で同じ動きを繰り返し続けることを窮屈に感じる人もあります。私の場合は、色の境目がなかなかうまく溶け合わず、グラデーションというよりストライプという感じになってしまいました。

境目をなんとかしようとあれこれやったおかげで、真ん中にある黄色があちこちに顔を出す結果になりました。境目は「関係性」に関連しているとか。一方、グラデーションはなめらかに移行しているのだけれどなかなか色が濃くなっていかないという人もありました。色を濃くしていくということの背後には、この世の物質的なこと、この世界にしっかりつながっているという意味があります。

いろいろな人の話を聞いていると、この世界にしっかり繋がっていない人というのは想像以上に多いのかもしれない、と思います。そういう感覚を持っている人の話を聞き、そういう視点から考えるという試みをすると、新たな気づきを与えてもらうことができます。そういう機会が得られるということもグループでアートワークをやることの大きな意味のひとつです。


IMG_1574