□◆□…優嵐歳時記(2655)…□◆□
見ゆるものみな新涼の影を持つ 優嵐
最近、『美人画―描き方と鑑賞』という本を読みました。美人画というのは、広い意味では美しい女性の容姿を描いた絵ということですが、「美人画」という言葉は日本で生まれたもので、浮世絵の流れを汲んでいます。明治に入って以降の美人画の代表画家といえば、鏑木清方、上村松園、伊東深水などがあげられます。
これらの浮世絵をふくめた日本の「美人画」を見ていて、あることに気がつきました。それは、こちらを見つめている美人というのは描かれていない、ということです。『美人画口絵歳時記』という本も読みましたが、ここに登場する美人たちもすべてそうでした。なぜ美人画の美人は視線を外しているのか、誰か研究された人はないでしょうか。人物画における視線というのは、文化的な意味合いが結構あるのかもしれません。
坂井泉水さんの肖像画第22作です。珍しくはっきりと目が写っている写真をもとにして描きました。彼女の写真の特徴は視線を外しているということであり、一種の「美人画」なのかもしれません。この絵のもとになった写真でも彼女は別の方向を見ています。絵に描くとカメラ目線のように見えてしまったのですが、写真では向かって斜め右を見ているのがわかります。
MDFボード(448×300mm)、アサヒペン水性アクリルつや消し白、カンペハピオ水性アクリルこげ茶、サクラクレパス、ぺんてるくれよん
『美人画』の作例を参考に、今回は線描に黒ではなくこげ茶を使っています。『美人画』の描法は日本画であり、使っている用具は全く違うのですが、読めばいろいろ参考になることがありました。人物画の線描には黒よりもこげ茶の方がいいかもしれません。黒というのは、ちょっと強すぎる感じがします。今回は髪も万年筆ではなくこげ茶色のペンキの線描とクレパスを組み合わせています。全体の色調を淡いピンクとこげ茶色で統一するようにしました。
見ゆるものみな新涼の影を持つ 優嵐
最近、『美人画―描き方と鑑賞』という本を読みました。美人画というのは、広い意味では美しい女性の容姿を描いた絵ということですが、「美人画」という言葉は日本で生まれたもので、浮世絵の流れを汲んでいます。明治に入って以降の美人画の代表画家といえば、鏑木清方、上村松園、伊東深水などがあげられます。
これらの浮世絵をふくめた日本の「美人画」を見ていて、あることに気がつきました。それは、こちらを見つめている美人というのは描かれていない、ということです。『美人画口絵歳時記』という本も読みましたが、ここに登場する美人たちもすべてそうでした。なぜ美人画の美人は視線を外しているのか、誰か研究された人はないでしょうか。人物画における視線というのは、文化的な意味合いが結構あるのかもしれません。
坂井泉水さんの肖像画第22作です。珍しくはっきりと目が写っている写真をもとにして描きました。彼女の写真の特徴は視線を外しているということであり、一種の「美人画」なのかもしれません。この絵のもとになった写真でも彼女は別の方向を見ています。絵に描くとカメラ目線のように見えてしまったのですが、写真では向かって斜め右を見ているのがわかります。
MDFボード(448×300mm)、アサヒペン水性アクリルつや消し白、カンペハピオ水性アクリルこげ茶、サクラクレパス、ぺんてるくれよん
『美人画』の作例を参考に、今回は線描に黒ではなくこげ茶を使っています。『美人画』の描法は日本画であり、使っている用具は全く違うのですが、読めばいろいろ参考になることがありました。人物画の線描には黒よりもこげ茶の方がいいかもしれません。黒というのは、ちょっと強すぎる感じがします。今回は髪も万年筆ではなくこげ茶色のペンキの線描とクレパスを組み合わせています。全体の色調を淡いピンクとこげ茶色で統一するようにしました。
コメント
コメント一覧 (4)
日本の美人画、そう言えば視線を外していますね。西洋画の人物画は視線をまっすぐ描いている画家に向けているものが少なくないように記憶しています。この違いはいったいどういう文化的差異から来るのかしらん?日本の美人画が視線を外しているのは、媚びを売っているように見えない方がさりげなくて良いという価値観から来るのかな〜?この分野、僕は完璧な門外漢で全く分かりません。(^_^; しかし、個人的には、例えば人物写真などでモデルさんが視線を外していた方がむしろさりげなさが出て個人的にはとっても良いと思います。「カメラ目線」てのはどうも個人的にはしっくり来ません。(^_^;
美人画の視線について、ZARDの写真を見ていなかったら気づかなかったかもしれないなあと思っています。こういうちょっとしたことにいろいろ気づかせてもらっているので、ありがたいですね。
>媚びを売っているように見えない方がさりげなくて良い
確かにこういうこともありそうです。坂井泉水さんの写真に関しては、視線を外しているから、世界が「彼女の視線が向いている方向に広がる」という魅力があるかも、と思っていました。日本は話すときも凝視して話すことをあまりしませんよね。見つめるということが礼を失するという意識がどこかであるような気もします。
コメント受け付けないことにされたのですね。ブログが炎上…、うーん、コワイですね。リアル世界のストレスをそういうことで解消する人もいます。世の中いろいろな人がいますからね。さらにおっしゃるように政治や経済のことになると、ひとこと意見をいわずにはいられない、という方もあるでしょう。俳句では、なかなかそういうことはないです(笑)。またブログ、のぞきにいかせていただきます。